6話
「ふぅ……」
「肩でも凝ったか?」
「あぁ、いや、そうではない」
「ならどうした?」
「なに、新大陸とやらに行くのが楽しみで仕方がなくてな。少し落ち着くために息を吐いたのだ」
どうやら我が妻は、相当に好奇心を刺激されているようで、どこか遠くへ出掛ける子供の様にしている。
はしゃいだり、と言う訳ではないが雰囲気や言葉の一つ一つ、語り方に熱が篭っているのがすぐに分かるぐらいだ。
普段は年上としての余裕や威厳を感じるが、こう言う時に子供の様な感性を出してくるのだからずるい。
それでは益々、惹かれてしまうではないか。
ふぅむ、しかし、あれだな。
新大陸の事ばかり話されると、こう、モヤッとする。
「おぉう?どうした?」
ギュッと抱き寄せて、そのまま抱き抱える。
流石に急にそうされては、驚きの声を上げるディアだが知ったことか。
「うん、いやな、こうも新大陸のことばかり話されていては、そちらにしか興味がなくて、俺のことを見ていないのではないかと思ってしまう」
「そんな訳あるか」
「あぁ、だが、納得出来ない」
「?」
きょとんとして、首を傾げるディアはやっぱり美しく、それでいて可愛い。
その後、俺はディアを連れてすぐに風呂に入って、いつもは押し倒される側だが今日は珍しく俺からディアをベッドに押し倒した。
長い、長い、長い夜の幕開けである。
「ふぅっ、ふぅっ……!」
「だ、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だ……」
初めてディアを組み敷いて、勝ってしまった。
村に訪れたギルドの皆をほっぽり出して、十日間も延々と、普段は意外とゆっくりと致すが今回は常に激しく、だったからディアが音を上げてしまった。
悪いと思うし反省はしているがうん、後悔はしていないな。
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