第九話
取り敢えず普通に面接を終え、採用が決まった。
俺は美咲の部屋にお邪魔して、座布団で正座していた……。
「いやよく考えたらあり得ねえ……」
知り合って間もない女の子の部屋にいるなんて。
性格はともかく、一応美咲は美人だし。
「今性格悪いとか考えましたの?」
「アレ? 思考を読まれた?」
女の子の勘という奴だろうか。
まあ良い。
取り敢えず部屋を見回していたが……。
「女の子の部屋にしては凄い光景だね……」
ライダーには詳しくないが、美咲の部屋にはライダーグッズらしきものが沢山ある。
ベルトに小物……ソフビにフィギュアまで。
赤いカブト虫のような見た目のライダーのグッズが多い気がする。
恐らく一番好きなライダーなのだろう。
「これなんだろ」
黒いUSBメモリ的なものがある。
触って確認していると、ボタンを見つけ、試しに押してみた。
『ジョーカー!』
キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!
「す……凄い」
劇中っぽくちゃんと光ったり音が鳴るのね……。
「何驚いてますの?」
「俺正直こういうので遊んだ事ないから、ちょっと驚いてて」
「勿体ないですわね。楽しいですわよ」
他のも手にとってみる。
「これは……?」
青いUSBメモリだ。
『トリガー!』
声優がどっかの無職を彷彿とさせる声だな……。
「全然なってませんわね」
「へ?」
「これはですね……こういう事すると面白いんですのよ」
美咲がメモリを手に、スイッチを。
『トリガー! トリガー! トリトリガー! トトトトトトトトリガー!』
連打。
「……」
「ナズェヒイテルンデス!?」
「いや、予想以上にくだらな過ぎて……」
※※※
「そういえばさっき言ったな」
「何ですの?」
「俺はお前のお供だって……どういう事をすればいいんだ?」
「そうでしたわね。実は……」
かくかくしかじか。
「なるほど……生徒会メンバーが全員辞めた、と」
「はい……」
「言ってもいいかな?」
「?」
「完全に自業自得だろ」
「そこまで言いますの!?」
「だって俺がその場にいたとしたら、辞める以前に、戦わせようとしたお前をぶん殴るもん」
「みっともない男ですわね貴方……」
「みっともなくて悪かったな……で、その生徒会の件を俺にどうしろと?」
「単刀直入に言いますわ……生徒会の仕事を手伝って欲しいですの……」
はあ!?
※※※
「いやいや無理だろ! 俺はお前の生徒会の仕事内容どころか、そもそも生徒会の仕事なんてやった事ないし……」
「会社の書類仕事よりも楽ですわよ……多分」
多分!?
「それって給料出ますか……?」
「何言ってるんですの? 生徒会の仕事に給与なんて出るわけないじゃないですの」
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