十一 祭
「んっ♥ はぁっ……ああっ♥」
祭は一刀に馬乗りになり、一心不乱に腰を揺すっていた。やっと、夢にまで見た一刀とのセックスを、もう止められそうになかった。
「んんっ♥ んああっ♥ あんっ♥ 気持ちいいっ♥」
激しく動いている訳ではない。それどころか、祭の腰の動きは、一刀の肉棒を味わうかのように緩やかである。それでも、固くそそり立った肉棒が、自身の膣内を満たしてかき回す感触に、祭は酔いしれていた。
「ああん♥ 一刀ぉ♥」
祭は、目の前の愛おしい男に呼びかける。一刀からの反応は、無し。実は彼、失神からまだ覚めていなかったのだ。
そう、祭は炎蓮との交尾で失神した一刀を、一方的に犯しているのだ。こんなものは交合ですらなく、ただの自慰行為。いけない事とは知りつつも、彼女はどうしても誘惑に抗えなかった。気になっていた男と繋がるチャンスを、逃したくなかったのだ。
「んんっ……」
祭がずっと快感を貪り続けていると、その感覚で一刀の意識が覚醒し始める。そんな彼に、祭は優しく話しかけた。
「目覚めたようじゃの、一刀♥」
「んぁぁ……って、何これ!?」
自身がどういう状態なのかに気付いた一刀は、驚いた声を発する。妙な感覚に目が覚めたら、何故か炎蓮ではなく祭が自身の上で腰を振っているのだから。
「あれ! 何で……炎蓮は?!」
さっきまで、炎蓮と交わっていた筈なのに。状況が飲み込めなくて、一刀は周囲を見回す。だが、そんな彼の頬を両手で挟むようにして、祭は強引に自身の方に向けさせた。
「こぉら一刀っ、他のおなごの事を考えるでない! 今は儂だけを見よ」
そう言いつつ、祭は一刀の唇を奪う。彼女のその情熱的な愛撫に、一刀はだんだん夢中になっていく。
何故、祭が一刀と交合っているのか。話は少し前に遡る。
✳✳✳✳✳
(んぁっ♥ あぁっ……一刀ぉ♥)
炎蓮の天幕の外で、祭は自慰に耽っていた。天幕から漏れ聞こえてくる炎蓮と一刀の情事の様子に、身体が火照ってしまっていたのだ。
「んっ、はぁっ♥ ぁぁっ……んぁぁっ♥」
自分で自分の胸を揉みしだき、もう一方の手で自身の秘所を掻き混ぜる。くちゅくちゅ、という水音が徐々に大きくなり、だんだん押し殺した声も我慢出来なくなってくる。
「んあぁっ♥ ああぁんっっ♥」
祭は軽くイってしまい、荒い息をつく。だが、まだまだ物足りなかった。祭も炎蓮と同じく長い間、男と親密に接する機会が無く、熟れた身体を持て余していたのだから。
「はぁっ……はぁっ……」
祭は自慰で束の間の達成感はあるものの、やがて虚しくなってくる。そんなとき、ふと彼女は天幕から情事の音が聞こえなくなっている事に気付いた。
「まさか、祭がこんな所で自慰とはなぁ」
「……っっ!」
不意にすぐ近くで声がして、祭は驚いて跳ね起きる。振り返れば、炎蓮がニヤニヤと笑みを浮かべて祭を見下ろしていた。はっきりと自慰を見られてしまった。そんな感覚に、祭は恥ずかしさに顔を真っ赤になってしまう。
「炎蓮様っ、これはじゃの……」
「祭、こっちに来な」
炎蓮は、動揺する祭の腕を掴んで引っ張っていく。向かった先は、何故か炎蓮がさっきまで一刀と交わっていた天幕の中であった。
「祭、あとはお前が一刀を満足させてやれ」
「い、炎蓮様!?」
炎蓮の思わぬ言葉に、祭は言葉を失う。満足させてやれって言っても、目の前で一刀は失神しているのに一体どうしろと、という気持ちだった。だが、一刀の肉棒はいまだに固くそそり立ったままである。
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