第九歩
「何やってるのですか貴女はああああああああああああ!!!」
アミッドさんに凄い怒られた。
まあそれもそのはず。昨日の酒場の噂が広がっていた。
その名は『蒼の宣告』
駆け出しの新人が【ロキ・ファミリア】に絶対に越えると言う無謀な弱者の遠吠え。その少女は蒼い瞳と蒼色の艶やかな髪をポニーテールをした小人族だと。
まあそこまでは良かったのだ。問題は引き止められなかった原因を【ロキ・ファミリア】がウェイトレスに聞いたところ、馬鹿にしていたトマト野郎を探す為に夜の街を駆け出したと言うのも知ってしまったらしく、その経緯が街中に広がって、【ディアンケヒト・ファミリア】のアミッドさんにどういう事か説明を求められた。
そしてダンジョンに潜って少年…ベルを救った事をうっかり滑らしてしまい、絶対安静を命じられたことを無視してしまった事にアミッドさんが大激怒である。
「絶対安静って言いましたよね!?何で更に深い階層まで行ったのですかああああああっ!!!」
「本当すみません!」
こればかりは頭が上がらない。
幾ら助けるためとは言え、夜のダンジョンに向かった事は確かに危険だった。予備用のナイフも斬りすぎて刃こぼれが酷いし、買い直した方がいいくらいに闘った。鬼の形相で迫るアミッドさんに頭を下げる他なかった。
「全く……まあ診察上、怪我はもうありません。で・す・が!病み上がりと言う事をちゃんと理解してから行動してください!!」
「すみませんでした」
超反省した。
まあ回復過多になればポーションも効きにくくなってしまうらしく、万全の状態に戻すなら三日で完全復活らしい。万能薬や回復薬頼りは禁物だ。
まあそれはそうと。二日間はダンジョンに潜らない事にした。
★★★
「カゲタン……ちょっと刃こぼれしてるしなぁ」
現在使用中のナイフ『影淡』はミノタウロス戦で刃こぼれを起こしてしまっている。このまま使い続けると折れてしまうし、籠手も負荷がだいぶ掛かって罅が入ってしまっているのだ。
コイツの製作者に会えるかなぁ?現在八千ヴァリス。昨日の分はまだ換金してないが、それで修理費が足りるとは思わないし……籠手に関しては今は団長になった奴が作った物だしなぁ。
「まあ行くだけ行ってみるか」
途中の露店で買ったジャガ丸君を食べながら、バベルまで向かい始めた。
★★★★★
「良いぞ」
「マジ?」
「むしろ買ってくれなかったと思っておったからなぁ。整備くらいなら引き受けてやろう」
「でも、高いんでしょ?」
「ある程度格安にしてやる。造った物には責任を持つのが手前の信条だからな。そちらのナイフも研ぐくらいならやってやろう」
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