2053年:新宿
これがアタシ・・・・・・?
「な、何が起こって・・・・・・!?」
『『ゲシュタルト』でございます。人の魂が器から抜け出し具現化した存在です。ですが、貴方の場合は分離ではなく変化のようだ。今までになかった事例です』
「???????」
どういうことだ・・・・・・!?器・・・・・・肉体と魂が分離した存在だって?
だが、アタシは通常の人間とは違うから分離するんじゃなく、人形の身体が変化してこの姿になった・・・・・・ってことか?
だが、何のために魂と身体を分離する?それにアイツ・・・・・・黒の書が言ってた『この世界を救済へと導く王』の意味もよく分からない。この世界に何が起こってるんだ?
『それを説明するには、些か時間を必要とします。まずは・・・・・・ムッ!?』
「え!?何!?」
話を聞こうとすると、突然黒の書がうろたえ始めた。いったいどうしたんだ?次から次へと問題が起こりすぎだろ。展開が早すぎてついていけない。
『まさか・・・・・・!?もう1人、適合者が・・・・・・?』
「適合者?」
『我に触れた人間は魂と肉体が分離しますが、『資格』がなければ正気を失い化け物と成り果てるのです』
「クッソ危険な書物じゃねーか!!」
ちょっと待って!それじゃ、アタシもその資格がなかったら化け物になってたの!?ふざけてんのかこのクソ紙!
ん、あ、あれ・・・・・・?何だ・・・・・・?急に、意識が・・・・・・
『!?王よ!どうされたのです!・・・・・・こ、これは・・・・・・?』
だめだ・・・・・・なにも・・・・・・みえなく・・・・・・
■
「・・・・・・ンジー?アンジー?もう朝よ」
「・・・・・・・・・・・・んぅ・・・・・・?」
気が付くと、アタシはドナのベッドの中にいた。部屋の窓から朝日が差し込んでくる。
・・・・・・まさか、さっきまでの出来事は夢?
「なぁんだ。良かった。アタシはまた厄介事に巻き込まれたのかと・・・・・・」
「また変な夢でも見たの?・・・・・・あら?アンジー、胸に何かついてるわよ」
「え?」
アタシは自分の胸を確認する。相変わらず貧乳(人形なので成長しないのは当然)だが、確かに胸元に何かついている。これは、まるで顔のような・・・・・・?
「・・・・・・ま、まさか・・・・・・?」
『お目覚めですか。王よ』
「ほわあああああああああああ!?!?」
うわあああああああああ!アタシの胸に黒の書がくっついてるうううううううう!!
『どうやら貴方と融合してしまったようです。それにしても驚きました。まさか貴方が異世界の住人だったとは。『竜』の研究で多元世界の存在が立証されていましたが、まさか我自身がそれを体験することになろうとは・・・・・・』
「いや何でそんなに平然としてるんだよ!?」
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