第四話
キンッ!
剣と剣がぶつかり合ったような音が鳴った。
さてと、どうすっかなぁ…
俺はドッペルゲンガーに斬りかかったが、ドッペルゲンガーの黒い剣により、受け止められた。
突然、黒い剣はドッペルゲンガーの手となり、受け止めていた俺の剣を摑んで、殴り掛かってくる。
ッッぶねぇ…
俺はドッペルゲンガーからの攻撃をすんでの所で避ける。
ドッペルゲンガーは俺の鉄剣を少しの間見つめると、興味を失ったのか、自分の近くに投げ捨てる。
黒い剣が手に変化したとき、剣をインベントリに収納しておけばよかったな。と今更後悔するが、気持ちを切り替える。
俺はインベントリを確認する。
ここで役に立つのは魔力のこもった長剣と――これだけか。……まあ、これならすぐに倒せるか?
俺はインベントリを閉じると、ドッペルゲンガーへと駆けていく。
ドッペルゲンガーは特に行動をせず、走る俺を見つめている。しかし、俺がかなり接近すると、防御態勢を取った。
別に、何処を狙ってもいいが、出来るだけダメージを与えたいので、防御の緩い腹を狙う。
俺は腹を殴る直前。ドッペルゲンガーが反応しても防御できない距離。その時、インベントリから瞬時にボールペンを取り出し、ナイフのように刺した。
『んあっ!?』
ドッペルゲンガーは驚いたような声を出した。
俺はすぐにインベントリから勢いよく魔力のこもった長剣を取り出し、そのままドッペルゲンガーへと斬撃を繰り出す。
しかし、ドッペルゲンガーは斬撃のせいで左手を失いつつも避ける。
現在の俺の筋力では、この魔力のこもった長剣を扱うどころか、持ち上げることさえできない。
俺は魔力のこもった長剣をインベントリへと収納すると、すぐに近くに落ちている俺の鉄剣を持つと、ドッペルゲンガーへと向かう。
ドッペルゲンガーは、青黒い血液のような物を垂らしつつも、その深々と刺さったボールペンを抜こうとしているが、そんな暇を与えずに、俺は剣撃を繰り出していく。
腹に怪我を負い、左手を失ったドッペルゲンガーは動きが鈍っているが、それでも少しは攻撃を防ぐ。ただ、防いだ数よりも攻撃された数が多いドッペルゲンガーはどんどんと死へと近づく。
その後、ザンッと、ドッペルゲンガーを両断できると、目の前にウィンドウが出現する。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お知らせ
ドッペルゲンガーを討伐しました
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「――ッ、ハァ、ハァ、ハァ……」
戦闘中、あまり呼吸をしない。という癖は直さなければいけないな。
俺は俺の鉄剣と先が青黒くなったボールペンをインベントリに入れながらそんな事を思った。
「レベルアップはしない…か、もしかして、経験値がないのか?」
そう言うと、もう一つウィンドウが出現した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
夢の回廊
目標
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/3
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク