ハーメルン
Fate/GRAND Zi-Order ーRemnant of Chronicleー
愛憎閉幕!!1910

 
 
 
 マントを翻し、黒炎を打ち払う。
 そうしながらギンガが、改めて現れた女を見据えた。

 霊核が半分抉られ、間違いなく消滅するはずだったが……
 まあそんな事はどうでもいい。
 どうやって補完したかも、彼らにはまるで関係ない。

「退くぞ、これ以上ここでやるべき事はない」

 アナザーウィザードが彼に顔を向ける。
 くすんだ宝石の魔法使い。
 その怪人は周囲の状況を見回して、小さく鼻を鳴らして同意し―――

 次の瞬間、弾けるように彼方を見上げた。

 火を滾らせ、水を廻して、風を唸らせ、地を揺らし。
 即応するために身構えた怪人を―――ギンガがその頭を掴んで黙らせる。
 掴んだそれを後ろに放り、そのまま前に出るスウォルツ。

「貴様は後ろで見ていろ」

〈ダ・ダ・ダ・ダブル! ファイナルアタックタイムブレーク!!〉

 ―――空を裂き。
 そこに襲来するのは牙。正面きって突き進む刃の竜巻。
 白と黒の嵐を前に、ギンガが腕をゆるりと上げて―――

 自身を囲うように、黒白の剣が乱舞している事を理解した。

「ほう?」

 空に舞う陰陽の夫婦剣、干将・莫耶。
 合わせるように転移でギンガの横に現れる真紅の外套。
 周囲には四つの刃が乱れ飛び。横には双剣を構えた少女が備え。
 そして正面から、牙の記憶が迫り来ている。

 腕の二本では凌ぎ切れまい。
 ならば正面から来ている最大の一撃を逸らし、後はギンガの装甲で耐えればいい。
 そのくらいは容易だが―――それでは面白くもない。

 ギンガの腕がドライバーを叩く。

〈ストライク・ザ・プラネットナイン!〉

 空中で生成されるエナジープラネット。無数の惑星弾。
 数え切れる刃など通すはずもない、周囲を埋め尽くす弾幕。

 回避しきれないように囲って追い詰める、という発想は同等。
 だが勝負になどなりはしない、圧倒的な密度の差。

 それを―――()()()()()()、と。

「それは、俺が既に見た未来だ―――!」

 ジオウが回転の中でウォッチを外す。
 ディケイドウォッチからダブルウォッチを外し、別のウォッチを装填する。
 加速した勢いのまま、ギンガに向かいつつ姿を変えるジオウ。

〈ファイナルフォームタイム! フォ・フォ・フォ・フォーゼ!〉

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