14:夜の工房にて
…といったら、君はどうする?」
男は無表情に眼を細め、新たな煙草に火をつけた。
「…それは、本当の話なのか?」
フフッと笑って、彼女は
「さぁ、どうだろうねぇ」
彼女はそういって煙に巻き、男は煙草を咥えたまま唸るしかなかった。
「ところで君ぃ、あの会議では随分とお楽しみだったようじゃないか」
「…?」
「こうして見ると、工房で不摂生を友とする探求肌の渋い職人とはとてもみえないねぇ…」
そういって彼女の取り出したスマホに表示されていた画像は、先日のエアグルーヴのナデナデ写真。
「…お前…どこでそれを…あいつか…」
椅子から崩れ落ちる男。
「フッフッフ…ウマ娘ダークウェブにはなんだってあるとも…!まったくエアグルーヴ君は役得だねぇ。尤も、私からしてみれば今の君の姿のほうが余程魅力的だが…」
男には紅潮した顔で滔々と続ける彼女の声は既に耳に入らない。
ただただ恥ずかしさと、自身の油断への後悔と、エアグルーヴを巻き込んでしまった懺悔の気持ちがない交ぜになったまま、天を仰ぎ煙を吐きだすのだった。
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:3/3
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク