ハーメルン
桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】
三段リーグ最終節

三段リーグ……

プロを目指す奨励会員にとって最大最悪最凶の関門であり、地獄の入口でもある「鬼たちの集会場」でもある。

そして今期、8節16戦を終えた段階で全勝は冬司唯一人で既にプロ四段昇段を決めており、残り1枠を現在14勝2敗の銀子ちゃんと峠なゆた三段に13勝3敗の菅田健太郎三段が争う展開となっている。
因みにそれぞれの状況を見ると、

冬司→2敗2人が自分より順位下位なので連敗しても1位確定

銀子ちゃん→三段リーグ順位最下位の為、連勝必須。

峠三段→三段リーグ順位で銀子ちゃんより1つ上だが、矢張り連勝必須。

菅田三段→前期次点で今期次点以上ならプロ四段となるが、連勝必須。

最終節組み合わせ

冬司=前半後半とも負け越し勢と対局

銀子ちゃん=前半→峠三段、後半→菅田三段と対局

峠三段=前半→銀子ちゃん、後半→勝ち越し勢と対局

菅田三段=前半→負け越し勢、後半→銀子ちゃんと対局

なので、完全に残り1枠を3人の直接対決で決める分かり易い展開である。

因みにこの日は八一君が於鬼頭帝位に挑んでいる帝位戦第6局の2日目であり、前回までの5戦で八一君が3勝2敗としており、ここを取れば竜王に続く二冠達成となる大一番でもある。

そしてこの日、僕も東京入りして会館の棋士室で観戦検討を行っていた。
尚、この時期の僕の対局は竜王戦本戦トーナメント位であり、準決勝で5組優勝の歩夢君に競り勝ち、挑戦者決定戦では1組3位の於鬼頭帝位相手に連勝し、5年振り3度目の竜王挑戦を決め、八一君との初のタイトル戦に臨む事となっていた。
一方、棋帝戦はニ海堂相手に2勝3敗(●○●○●)で失陥し、ニ海堂初タイトルの立役者となってしまった…




閑話休題……



最終節前半の第17戦目

冬司は速攻で相手をへし折り、開始2時間経たずに圧勝。
菅田三段も格の違いを見せ付け、相手が撃沈。
一方の銀子ちゃんvs峠三段の史上初の女性プロ棋士を賭けた意地と誇りの戦いは、峠三段の限りなき攻勢を耐えに耐えた銀子ちゃんがその攻勢が止まったのを起点に冷徹無比の逆襲を見せ、両者1分将棋の殴り合いを辛うじて制し、最終戦に繋いだ。




〜side銀子〜


さっきまでの対局はアイツが詰め切れなかったから何とか逆転で取ったけど、これだけごっそり体力が持ってかれた状態で実力も運の無さも飛馬お兄ちゃん以上って言われてる菅田さんが最後の相手って不安だらけで気が滅入るけど、泣こうと壊れようとこれが最後なんだから、そして、お兄ちゃん…桐山零名人と何よりも八一…私の一番大事な人が壁の向こうで待ち侘びているんだから絶対に突破してみせる!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



最終戦

冬司→圧勝で18連勝、文句無しの1位通過

峠三段→最後は勝ち切り、15勝3敗で3位決定

銀子ちゃんvs菅田三段の2敗3敗の2位決定戦は女性初のプロか、年齢制限一杯の苦労人かの文字通りの死闘・鬼勝負となっていた。
お互い陣を固め、銀子ちゃんは居飛車明示、一方の菅田三段は得意の振り飛車でそれも攻撃的戦法のゴキゲン中飛車を選択、のっけから激しい駒の動きを展開し、駒交換も頻繁になされる激戦となった。

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