ハーメルン
桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】
快進撃!!

銀子ちゃんは軽くいなし続け、相手の攻めを
あっさり断ち切った。


ここで銀子ちゃんのターンになると、
一見何の関係もなさそうな駒を奪いに掛かったので
誰もが一瞬目を疑った、が、この真の目論見が
次の瞬間明白に示された。


「全駒」


文字通り全ての駒を相手から奪い、自駒にする
虐殺そのものである。
髭面さん、必死に阻止せんと足掻くが、
本気の銀子ちゃんには通用しない。



因みに本気の銀子ちゃんは、瞳が普段は
灰色掛かっているけど、本気モードに入ると
瞳が蒼くなる特徴がある。


そして、駒という駒を全て奪われた髭面さん、
「…ぁ…り…ま…せ…ん……」
と、か細く一言だけ告げ、惨敗した。




「ちょっとやり過ぎじゃないの?」
と銀子ちゃんに質したが、銀子ちゃんは
「悪い虫は駆除以外ないから」ってなんとも
恐ろしい一発回答してくれた。



でも銀子ちゃんが好きなのは八一君の筈
だと思ってたのだけどな…





さて、6月に入り、いよいよ順位戦も
スタートする事となった。



第1局、相手は加悦奥七段。
京都在住で、師匠とも旧知のベテランである。



先後は予め決まっており、僕は後手番だった。



角交換からの相居飛車となるが、
今回は僕から攻めにかかった。
相手の穴熊に僅かな穴が見えたので、
罠を警戒しつつもあえて攻勢に出てみた。



やはりそこが急所だったようで、
金銀を剥がすと一気に僕が優勢模様となった。
結局、夕食休憩を待たずに投了となり、
幸先よく順位戦初勝利を挙げた。



そして竜王戦も決勝を勝ち、優勝。
本戦トーナメントに駒を進めた。





1回戦は5組優勝者との対局だが、相手は
静狩六段である。

プロフィールを見ると、今年34歳で、
プロ12年の実力者である。
現在C級1組だが、他棋戦では本戦トーナメント
出場経験を持つなど、歴戦の1人であるのは
言うを待たない。



そして対局開始したが、持ち味の変則将棋を
活かす戦いに持ち込もうとする意図が
丸わかりで、でも面白そうなので、
あえて乗って見る事にした。



何しろ両端とも歩を突いた両端歩って、
松永さんに負けず劣らず自由過ぎだろ。



けど、静狩さんはその変則攻めで撹乱して
相手の混乱を突いて仕留めるスタイルなので、
油断は禁物だ。



やがて静狩さんの攻めが切れた。
ここからは僕のターンだ。



持ち駒の金銀角を総動員し、相手の守りを
剥がしにかかり、着実に剥がし取った。



更にほぼ無限の王手ラッシュ
遂に音を上げた静狩さんが投了。
竜王戦も順調に勝ち進んだ。

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