さて誰でしょう?
「ヘルメットを」
「えっ?ああ…」
刹那に救われた沙慈が目にしたのは大破したエクシア、それを見た彼は言葉を失う。
ガンダムによって全てを失った彼にとってこの光景は絶望しか感じなかった。
「うぇ…」
「え?」
「計画と違う、何をしているネーナ」
「じぬ…」
なぜかエクシアの顔辺りで浮かんでいるネーナを見るまでは。
「沙慈・クロスロードは任せる。俺は外のMSを叩く」
「りょうかいぃ…」
エクシアの急加速にやられたネーナは視界がぐらぐらとしながらも手を振って刹那を見送る。
「だ、大丈夫ですか?」
「なんとかね」
心配そうに覗き込む沙慈の顔を見ていると罪悪感が込み上げてくる。
自分がしたことではないがネーナは沙慈にとっては仇だ。
「貴方もソレスタルビーイングなんですか?」
「まぁ、そうね。ちょっと違うけど」
「?」
そうやって話している間に戦闘にセラヴィーが介入、ジンクスⅢが撃墜され、アロウズは撤退した。
「4年振りか。随分雰囲気が変わった」
「そういうお前は何も変わっていない。あの頃のままだ」
「よく言われる」
「このガンダムは?ソレスタルビーイングのか?」
「もちろんだ」
戦闘後、こちらに戻ってきた刹那とティエリアは一見仲良さそうに話す。
そんな様子を倒れているエクシアの影に隠れて伺う。
(ティエリアは怖いなぁ)
ティエリアは他のガンダムマイスターよりこっちへのヘイトが高い、だから会わないようにエクシアリペアを愛でたら退散しようと思ってたのにしくじった。
(ちょっと、沙慈くん!?)
それを同じく見ていた沙慈はネーナの制止を聞かずに二人の下に駆けていく。
「刹那・F・セイエイ!君はガンダムに乗っていたのか!?」
「沙慈・クロスロード」
「答えてくれ!」
鬼気迫る沙慈を真っ正面から受け止める刹那、その様子を影からこっそり見守るネーナ。
「ああ」
「それじゃあ、5年前から武力介入を?」
「ああ、していた」
「…」
「わかってるのか!?君達がやった事で多くの人が死んだんだ!君達がそうしたんだ!」
「君達のせいで…僕の、好きだった人も傷付いて、家族や親戚を殺されて、僕の唯一の肉親だった姉さんも、ソレスタルビーイングに関わったばかりに、殺されてしまった。ルイスも、姉さんもいなくなったんだ!!何とか言えよ!」
「…」
そして刹那から銃を奪い、銃口を彼に向ける。
「言えよ!!返せ!返してくれ2人を返してくれよぉーー!!!」
どこにもぶつけようのない怒りが沙慈の叫びとなってその場に木霊するのだった。
ーー
「…いい加減に出てきたらどうだ」
「バレテマシタカ…」
エクシアの影から出てきたのは紫色のパイロットスーツを着た女性。
その声はティエリアにとっても聞き覚えがあった。
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