ハーメルン
勇者スバルの大冒険 ~剣(ソーセージ)に愛されしアヒルよ、伝説となれ~
7羽
「ここまで来れば大丈夫デス」
突然現れたキアラに窮地を助けられたスバルたち。
キアラは彼女のダチョウ、フェニックスから飛び降ります。
スバルとるしあも地面に降りました。
「スバルせんぱい! 会いたかったあ!」
キアラは突然、アヒルのスバルに抱きつきます。
「シュバア! シュバルバシュババシュバルルバ!」
(キアラ! スバルのことがわかるのか!)
スバルはシュバル語でキアラに話しかけました。
しかしキアラは悲しそうな顔をしてから「スバルせんぱい!」と再び叫びます。
「スバルせんぱい、忘れたのデスか! キアラだよ! スバルせんぱいにめっちゃ可愛がってもらった、スバ友のキアラだよ!」
「シュバ? シュ、シュバ、シュバルバシュバルルシュババ! シュバアア!」
(ん? お、おう、スバルはちゃんとわかってるぞ! キアラあ!)
「そうだよね、もう五年も経ちマスし、わたしも随分大きくなったから、スバルせんぱいに忘れられるのも仕方ないことデスよね」
「あ、あの、キアラ?」
スバルとキアラのすれ違いを見ていられなくなったるしあが二人の会話に割り込みます。
「スバル先輩もキアラのことを覚えていて、キアラがアヒル姿のスバル先輩を本人だとわかってくれていることに感激しているようです」
るしあが教えてやると、キアラは「ああ、そうだったんデスか!」と一転して笑顔になります。
「スバルせんぱい! キアラは嬉しいよお!」
それからぎゅううっとスバルを抱きしめました。
「シュバ! シュバ! シュバアアア!」
(死ぬ! 死ぬ! 死ぬううう!)
「キアラ! スバル先輩を殺すつもりですか!」
るしあは慌ててスバルをキアラから引き離しました。
「ああ、ごめんなさい! つい嬉しくて」
キアラはるしあとスバルに謝ります。
それから「でもスバルせんぱいが本物かどうかなんて、スバ友ならわかって当然だよ」と独り言のように話しはじめます。
「だって、わたしたちスバ友は家族同然にずっと一緒に生活してきたんだよ? それなのにスバルせんぱいが本物かどうか見抜けないなんて、そっちの方がずっとおかしいよ。わたしたちを許してくださいスバルせんぱい、みんな五年の月日のせいで目が濁ってしまっているんデス」
「シュバ、シュバルルバシュババシュバルルシュバ。シュバルバシュババシュバア」
(いや、おまえたちは何も悪くないシュバ。だから謝るなキアラ)
「スバル先輩が、キアラたちは悪くないのだから謝らないでほしいって言ってます」
「ありがとうございマス」
キアラはスバルに礼を言いました。
「スバル先輩、今スバ友は大変なことになっていマス。そのことについて詳しい説明をさせていただいてよろしいデショウか?」
「シュバ」
(ああ)
頷くスバルを認めてから「お二人ともついてきてください」と、キアラは歩き始めます。
「この近くにわたしたち、スバ友アヒージョのアジトがあるんデス」
「シュバルバ? シュバルシュバルバ?」
(アヒージョ? なんだそれは?)
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