相対
「ごめんアーミヤ!もう少しだけ手伝ってくれ!」
「了解です!あ、ケルシー先生を呼んだ方がいいですか?」
「うん、一応連絡しておいて。」
「分かりました!…とりあえず、大急ぎで片付けましょう!」
バタバタと忙しそうに動き回る2人。一方その頃、扉のまでに立っているイージスは
「や、やりましたよスカジ!会話できました!」
などと小声で喜んでおり、スカジはそれに微妙そうな顔をするのであった。
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ぴったり5分後、2人は息を切らしながら、綺麗になった部屋を見て一安心した。
「ケルシーはどう?」
「連絡はしてみましたが、返事が来ません。…多分仕事中かと。」
「そう…まあ仕方ないね。今回は2人で対応しよう。」
「了解です。」
そこまで会話した後、2人は同時に深呼吸した。そうして息を整えたあと、ドクターは意を決して
「お待たせ、もう大丈夫だよ。」
と声をかけた。
ドアが開く。そこから現れた人物は2人。1人はドクターとアーミヤもよく知る我らがロドスのエース。そしてもう1人は、白を基調とした衣服を見に纏う少女であった。スカジの胸元までくらいしかない身長に、予想が外れたとアーミヤは驚く。そんな彼女は、かなり緊張しているのだろうか、顔を赤くして目線はあちらこちらへとぶれている。
「立ち話も何だし、そこにあるソファに座ってくれて構わないよ。」
「は、はい!しちゅれいしまひゅ!」
「「(あ、可愛い。)」」
噛みまくる師をみて呆れるスカジ。顔を赤くして俯くイージス。あまりに予想外な彼女の様子をみて、逆に緊張がほぐれた2人は内心でそう思うのであった。とはいえ相手の様子をアーミヤは心配して、
「あ、あの?大丈夫でしょうか?」
「…え、えと。その、あの……。……少しだけお時間もらってもいいですか?」
「うん、全然構わないよ。」
「あ、ありがとうございます。すいません、話すことに慣れていなくて、少し覚悟を決める時間が必要で。」
と言ったのち、何度も何度も深呼吸を繰り返すイージス。その様子をみてほんわかする2人、「コミュニケーション能力に難がある、ってこういうことか。てっきり相当な人嫌いかと思ってたよ。」と小さく呟くドクター。唯一その声を拾ったアーミヤもまた、小さく頷くのであった。
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10分ほど経っただろうか、初めは顔を青くして震えていた彼女も、今ではだいぶ慣れたのか、落ち着いて様子で座っていた。
「ーーすいません、お待たせしました。」
「いや、全然構わないよ。それでは改めて、ロドスへようこそ。えーと、イージスさん?で大丈夫かい?」
「スカジから話は聞いているみたいですが、一応私からも自己紹介を、スカジの師匠をしてます、イージスです。さんはつけなくて構いませんよ。」
「そう、僕はここのドクターをやってる。こっちは、」
「アーミヤです!ロドスのCEOを務めています。」
「…これなら大丈夫そうね。ドクター、私は部屋に「スカジはここにいてください。お願いします。」…何でもないわ。」
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