第9章~怪人になった男~
※
喫茶「テアトロ」の店長、三浦浩司は友人、
太田誠司との会合を終え帰路についていた
既に空は暗くなりはじめ、人通りも少ない
少し速足気味になる足を、
それでも止めることなく進めていたのだが
ザッ・・・ザッ・・・
「・・・?」
気のせいか、自分の速度に合わせて
何か足音がするような・・・
・・・仮面ライダーという存在と
関わってしまっているが故に
このような状況はつい、
敏感になってしまっているのだろうか
足を止める
ザッ・・ザッ・・ザッ・・
いや、確かに何かがいる。
杞憂ならばいいのだが、浩司は速足で駆けだす
・・・背後の足音も駆け出し気味になっている
明確に、自分を追っている。
ポケットに手を突っ込み電話に手を付ける
振り返って確認後、
すぐに逃走と雄飛君にヘルプを掛ける
逸る心音を抑えながら、気を引き締め・・
振り返る
そして目に映ったのは──
『申し訳ない、私はこういうものなのだが
少しお話よろしいでしょうか』
確かにそこにいたのは
自分が危惧した通り、テラーだった
しかしその体制がおかしい、
ピシリと姿勢よくし、両手持った何かを
こちらに突き出している
その手には、自分の所属情報が明記された
小さな紙のカード、すなわち名刺であった
テラーが、自分に襲いかかるわけでもなく、
名刺を持って挨拶をしてきたのだ
「・・・えぇ?」
※
町の郊外──
雄飛,杏奈そして翔の3名は
浩司からのテラーと遭遇したという
連絡を受け現場に急行した
浩司の無事を祈りながら──
そしてたどり着いた
その先で浩司を発見する
浩司は、テラーと遭遇するという
アクシデントを受けながらも無地に生還を果たしていた
『いやー、コーヒーがおいしい!
いい腕ですねマスター』
その遭遇したテラーに
コーヒーをふるまいながら──
※
「・・・というわけなんだが・・・」
「「「人間だったころの
意識を持ったままのテラー!?」」」
浩司から話された情報に3名は驚愕する
それは、これまでではありえない現象であった
ちらりと背後でコーヒーを嗜んでいるものを見る
その姿は普通の人間とは大きく異なっている
ゴツゴツとしているようで
その表面はツルリとして光沢を放つ外殻が
体を覆った怪人
まるでガラスで出来た歪な彫刻
言うならグラステラーといったところか
「いや、僕もほんとはすぐに雄飛君達に
来てもらうべきだと思ったんだけれどね」
「話を聞いてみたら、どうも本当みたいでね」
浩司さんがそう言って、テラーに目配せする
すると
『あぁ、私も何が何だかわからなくてね!
目が覚めたら、こんな姿になっていてね!』
『明日も仕事があるのに一体どうしようかと
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