第9章~怪人になった男~
途方に暮れていたら、彼が通ってくれたのさ!』
『まさか、怪人と対をなすように
仮面ライダーが実在していたとは!』
『いやー!捨てる神あれば拾う神ありというやつだね!』
なんて自分の身の上をペラペラと話し始めた
随分とおしゃべりなテラーだ
『あぁ、すまない
僕はこういうもの何だが』
といって渡されるは薄い紙きれ
杏奈さんが受け取り、書かれた情報を読み上げる
「脚本家 大木 康緒・・・?」
それは、彼の名前と役職
つまりは名刺だろう
テラーが人間の名刺を渡してきて挨拶する
普通ならそのことに驚くのだろう
だが、俺は別のことに驚愕していた
「大木康夫!!!?」
「うわビックリしたっ」
その名は、その名は──
「ね、熱血戦隊 ガンバルンジャーや
絆戦隊 ツナグンジャーの脚本を執筆した・・・あの・・・?」
俺も毎週視聴していたあのヒーロー番組の脚本家じゃないか!
『おお、知っているのかい?うれしいなぁ』
「知ってますとも!どちらも名作中の名作!」
「あの主人公チームを取り巻く数々の試練!
それを乗り越えて成長していくドラマ!
王道の良さをそのままに
新しいことへのチャレンジも忘れない姿勢があった!」
『ああ、作品に込めた情熱がそこまで
伝わってくれているのなら製作者としても
鼻が高いよ』
「その話を生んだ人に会えるなんて・・・感激だ!
サインください!」
『いいとも』
なんていうことだ、こんなところで
こんな人と出会えるなんて
──仮面ライダーやっててよかった!
「いや、ちょっと待って」
杏奈さんからストップが入る
いかん、少しはしゃぎすぎたか
「えっと、あなた本当にその大木さん・・・なの?」
「言っちゃあなんだけど、
テラーがそのふりしてるだけなんじゃないの?」
『ううん・・・
それに関しては僕は証拠を出せないんだ』
『ただ、
僕が人を襲う気がないというのは信じてほしい』
『何故なら──
僕は君たちに倒してほしくてここにいるんだ』
『頼む、できる限り、急いで僕を倒してほしい』
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