ハーメルン
偽マフティーとなってしまった。


 随分と小綺麗になった営倉を用意されていたスーツを着てかぼちゃマスクを被った俺が、コツコツとコンクリートの廊下を歩く。後ろに久しぶりにあった気がするツヴァイとドライがいる。ドライはマフティー分が低いのでかなり助かる。マフティーが高めのインテリのツヴァイは、ちょっと最近、いやもうずっとずっと前から許してほしいが。

 「この間、二人は一体どうしていたんだ?俺はそれなりに忙しかったが。」
どうしていたんだろうか、本当に。ツヴァイはマフティーなんちゃらをしていたんだろうが、ドライは何をしていたのか気になる。パイロットから整備士に通信士まで出来る男だからな。

 「マフティーの、マフティーの仕組みの深さをチャットの友人GJと話していた。GJのマフティー論は深い。いちいち、俺のマフティー性の低さとマフティーとはかくあるべきかを教えてくれるんだ。マフティーサイトを増やしたりな。」
あっ‥‥幸せそうで良かったな。うん、良かった良かった。壁にでもマフティーを話しててくれ、ツヴァイ…って待て!?その筋のマフティーサイトってお前だったのか!?

 「俺はジオンの連中と模擬戦をしたな。さすがジオンだ。斬りかかったマニピュレータを掴まれて、相手はその隙をついてクローでもないMSのマニピュレータでコックピット潰そうと貫手と言われるのをしてきてな、撃墜判定になった。マシンガンやバズーカを捨てるかと思ったらそのままそれで殴られたりとか、ヒートソードを投げてきたと思ったらマシンガンで撃ってヒートソードを回転させて叩きつけてきたりとか、ザクマシンガンのマガジンの丸いやつを投げてきて撃って誘爆させて散弾にしたりとかな。ジオンは凄いな。」
ジオン残党こっわ!?おかしいだろお前!なんでブランクがあるとか言うようなしんみりする話をしていたのに、嘘だろおい、キンバレー隊より練度が高いんじゃないのか!?ジオンだけ異様に強いんですけどバランス調整間違えてない?

 「それは凄いな。特にそのコックピット潰しの技。」
じゃあエゥーゴやティターンズはどうなのかと思ったら、エゥーゴにもグラサン、アポリー、ロベルトとか居るからジオンの系譜だよな。ノースリーブ情けないおじさんより凄いことしてる。

 「あぁ、話を聞いてみたら、とあるジオン兵が編み出したらしいが、ニホンの柔道と空手の動きを更に取り入れたり、アジアとアフリカに散らばったジオン残党が現地の格闘技を組み込んでその動きが出来るようになったジオンのパイロットが多いらしいぞ。ティターンズも暴徒鎮圧用の散弾の使い方も凄い。SFS経験だけなら群を抜いているから、大気圏内の高速移動は彼らだな。エゥーゴから来たのは試作兵器を持ってきてくれた。」
エゥーゴだけオチみたいに言うのをやめてやれよ。変に試作兵器ばっかり作ってまともな主力兵器を作れずに迷走してる集団みたいじゃないか。ジオン残党がおかしいだけだって。

 「で、どんな奴らなんだ?まともなMSがあるようには見えなかったが。」
本当にそう。数だけ多いならグスタフ・カールの強襲でやられかねない。現実として向き合って、彼らの指揮官になると決めたんだ。それぐらいはやってみせるさ。

 「あぁ、ホバートラックにファンファンにルッグンから量産型ガンタンクにザクキャノンにジム・キャノンなど基本は後方支援系ばかりだな。まぁ、後方支援系だからこそ生き残れてきたんだろうが。エゥーゴもティターンズもジオンもマフティーの元に集まるとはマフティー性の集まりだな。人々がマフティーという一筋の光を求めているんだよ。」

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