妹のルール
完全に妹でしか抜けなくなった。
オナニーの現場を見られて以来、妹をオカズにし続けているのは、当初より変わりないのだが……。
以前と違うのは、他の女とセックスするのを考えるだけで苦痛を感じ始めたというところだ。
エロゲなんて立ち上げる気にもならず、システムファイルから削除してしまおうかなんて物騒なことを考えてしまうくらいには、俺は妹しかオカズにできなくなっていた。
世間的に見てそれが異常であることは、俺も自覚している。
だが、これは本当に俺の責任だろうか?
たしかに、美優に愛嬌はないし、射精を受け止めてくれとお願いしたのは俺の方だ。
それでも、俺としてはこの主張を変えるつもりはない。
妹は、俺のことを誘っている。
「美優。ちょっといいか」
ノックをして、ドアを半開きにし、部屋の中にいる妹に俺は話しかける。
放課後の妹の行動パターンは大体決まっていて、買い物に寄って帰ってくるか、直帰して部屋で勉強するかのどちらかだ。
男はおろか、女友達ともそれほど遊ぶ方ではないのだろう。
兄のオナニーに遭遇して動じなかった妹には驚いたが、こんな出不精な女に彼氏がいるはずがないのだ。
あるいは──これは本当に気持ち悪い仮定かもしれないが──場合によっては、実は美優は俺のことが好き、ということも考えられなくはない。
だってそうだろう。
少なくとも、嫌いな男の精液を飲む女なんているはずがないんだ。
「どうしたの?」
美優の間延びした返事を聞いて、俺はゆっくりとドアを開ける。
予想通り、美優は机に向かってテキストを開いていた。
女の子らしいと言うべきか、白基調の部屋にほんのり赤みが掛かっていて、ベッドには触り心地のよさそうなポリエステル生地のクッションが置いてある。
「溜まってきたから抜きに来た」
思いのほか淀みなく口から出てきた言葉に、美優は俺の股間の膨らみを認めると、予想外に美優は怪訝な顔をした。
「お兄ちゃんさ」
椅子をくるっと回して、美優は俺の正面を向く。
トーンの低い声音。
これはお説教モードの妹だ。
「お風呂入ってるときに、ゴミ出し行ってきてって言われたらどう思う?」
真顔で、至極真っ当な正論を、突きつけられる。
「それは、まあ……困るな」
俺は部屋に入ってきたときの勢いを完全に逸し、局部も一緒にシュンとしてしまう。
やってしまった。
勘違いしたとはいえ、やりすぎたか。
もしこれで嫌われるようなことにでもなったら、最悪だ。
「すぐ出せるようにしてくれるなら、21時きっかりにお兄ちゃんの部屋に行くけど」
真顔で見つめてくる美優と、目が合う。
こいつは堂々と精液を飲みに来ると宣言してるわけだが、どうしてそんな無感情でいられるんだ。
「わかった。よろしく」
俺は素直に提案に乗って美優の部屋を出た。
21時ってなると、だいたい後30分か。
今まで美優が精液の受け止めをオーケーしてくれたのは、ベッドやソファーで暇そうにしているときだけだった。
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