清楚な女の子はエロ可愛い
妹をオカズにしてから、俺の女性に対する考えが変わった。
というのも、単純に妹に欲望をぶちまけているおかげで、他の子に欲情せずに済んでいるってだけなんだが。
態度には出しているつもりはなくても、どうやらそういった機微は女子には伝わるらしい。
これが中々に良い傾向だった。
俺みたいな非モテなオタクが相手だと特にそうだが、女の子は好きになれそうもない男から好意を感じるだけで不快になるようで。
そんな男は、学校で女子に話しかけるだけで気まずい空気を作り出してしまうものだ。
「はい、ソトミチくんは社会のプリントを配ってね」
俺の両腕にドサッと紙の束が乗せられる。
ニヘッ、と真っ白な歯を見せて笑う、学校で一番人気のたわわで可憐なこの少女が、今日の日直当番である俺の相方だ。
彼女は自分の可愛さをしっかりとわかっていて、頼める仕事はだいたい他人に任せてしまう。
可愛いのでわがままを言われても怒りがこみ上げてこない辺り、現実の非情さを身を持って感じる。
きっと彼女はこの先もみんなから愛されていくんだろう。
山本奏。
絵に描いたような美少女だが、今では彼女も普通の女の子に見える。
造形の美しさでいえば圧倒的に山本さんが勝るのだが、それでも今の俺にははっきりと言えてしまう。
やっぱり美優って、可愛かったんだなって。
「20枚も配って対策プリントって言えんのかな」
帰りのホームルーム前のグダグダとした時間に、クラスメイトが机に座りながら駄弁り続ける中、俺たち日直は担任から「差し入れだ」と渡された大量の中間試験対策プリントを配っている。
社会は特に暗記項目が多くて嫌になる。
やりさえすればできる、できないのはやる気の問題だと担当教諭は言いたいのだろうが、人間には限界があることを理解してほしい。
「まあまあ。ほとんどプリントからしか問題がでないんだから、かなり良心的な方だと思うよ?」
山本さんは手を後ろで組んで俺について回った。
先ほど数学の公式集を一枚ずつ配っただけで彼女の仕事は終了である。
いいご身分だ。
自分が仕事をしないと、無駄に時間がかかって俺とのお喋りの時間が増えてしまうことがわからないのだろうか。
「山本さんは勉強できるからそうやって簡単に言えるんだよ」
勉強は努力の量。
それを否定するつもりはないが、地頭を鍛えてきた人間に対する羨望は捨てきれない。
「気持ちだよ気持ち。満点取ったらおっぱい触らせてあげるって言ったら20枚くらい覚えるでしょ?」
「すげー余裕な気がしてきた」
おっぱいか……満点の答案用紙を持って行ったら、美優もおっぱいくらい触らせてくれるかもしれない。
俺はちまちまとプリントを分けながら、ぼんやりとありもしない妄想を膨らませる。
っと、いかんいかん。
余計なとこまで膨らんでしまう。
山本さんの前でさすがにそれはマズい。
「ソトミチくんさ」
急に山本さんの声が近くなった。
猫撫で声というほどではないが、甘ったるい喋り方の山本さんに近くに寄られると、反射的にドキッとしてしまう。
こんなんされたら女性経験のない男はすぐに落ちるだろうな。
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