妹の友達をオカズにした ①
「出して」
俺の肉棒を目の前にして、美優はそう言い放った。
両膝をつき、俺の腰を掴んだその体勢は、今にもフェラが始まりそうで反り返りが更に上向く。
「出してって言うなら、出すけど」
おねだりをされたのは初めてだった。
嬉しい気持ちもある一方、戸惑いもある。
美優には怒られることも気持ち悪がられることもあるが、嫌悪感を示されたことは一度もない。
しかし、その分というか、美優から好意を感じたこともなかった。
遥という女の子に会って、その子をオカズにオナニーをしようとしていたら、美優が邪魔してきてすぐさま射精をねだってきた。
これをどう解釈したらいいだろう。
「遥のこと考えたら許さないからね」
美優は鋭い視線を突き刺してくる。
珍しいくらいに感情が滲んでいた。
「わかったよ」
俺が了承すると、美優は床に正座した膝の上に手を置く。
「よろしい」
美優はそれだけ言って、黙り込んだ。
正座をして亀頭を見つめる妹を前に、握り込んだ手の動きが鈍る。
そこまでして真剣にオナニーを観察されると、さすがの俺でも集中できないのだが。
勢い任せに手を滑らせてみたが、これで気持ちよくなるのは至難の業だった。
何か刺激がほしい。
美優の方からねだってきたのだから。
おっぱいを見せてくれとは言わない。
せめて女の子座りでもして、ふとももをチラリとでもしてくれれば興奮するのに。
美優はなおもダンマリを決め込んだまま。
パチパチと瞬きを繰り返すだけ。
無音になった俺の部屋には、鳥のさえずりさえ届きそうなくらいだった。
じりっと垂れる汗の音すら、耳の突くほどの静寂。
「──遥ってば、美優のやつ勝手に使ったら怒られるよ」
「使わないよ。見てるだけ」
「えーどうだか。後で美優に言いつけちゃお」
「美優は私が何しても怒らないし。今日は由佳に説教をするための勉強会なの、忘れないでね」
壁越しに、少女達の戯れが聞こえてきた。
俺が知る限りでは美優と遥という子しかいないはずだが、隣から聞こえてくる声は明らかに二人の会話だった。
「他にも来てたのか?」
「遥と、もう一人だけ。由佳って子。……出なさそう?」
美優の問いかけに、俺は首を縦に振る。
友達を待たせてることもあって、時間をかけたくないのだろう。
普段なら数分で出すことなど造作もないが、新しい刺激が多すぎて逆に頭が取っ散らかっている。
「すぐには難しいかも」
「そっか。うーん」
美優は口元に手を当てて、数瞬だけ思考を巡らせる。
「ちょっと待ってて」
おもむろに立ち上がると、美優は俺の部屋から出ていった。
下半身裸で突っ立ったままの俺。
虚しさが全身を包む。
ベッドに腰掛けるくらいならいいか。
と考えていた俺の耳に、また隣の部屋からの声が届いた。
「あっ、美優! 聞いて! 遥が美優のやつ勝手に使ってたよ!」
元気そうな声だった。
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