妹の友達をオカズにした ③
美優が二階に物騒なものを持ち去ってから、20分ほどが経った。
俺はソファーに座って、手持ち無沙汰にボーッと真っ黒なテレビ画面を眺めている。
遥をオカズにすることが禁止されているため、無心になるように努めた俺の肉棒はすっかり柔らかくなっていた。
抜けそうにないと言った俺に対して、美優が準備を待てと指示したのだから、また新しいオカズを用意していることは間違いない。
ナイロンテープに長めの布切れか。
どう考えても、拘束の道具だよな。
想像に難くはないが、本当にそれを兄のためにやる奴がいるなんて。
いや、俺じゃなくて遥のためか。
あの二人の間にどんな事情があるのかは知らないが、どうにも美優は遥に頭が上がらないらしい。
にしてもあの遥がなぁ……勉強中にローターを入れてるなんて……その上、女の子にご執心とは。
せっかくあんなに可愛いのにもったいない。
性愛の対象が男なら、コンビニで買い物をする感覚でどんな男も手に入れられただろうに。
っと、これを考えるのもよくないか。
美優には遥のことを完全に忘れるように命令されているからな。
勉強は繰り返してもてんで頭に入らないのに、たった一瞬話しただけの女の子が、どうしてこれほどまでに忘れられないものか。
「お兄ちゃん。お待たせしました」
ドアからそろっと顔を覗かせてきた妹が、まず俺の股間を凝視してから目を合わせてくる。
「してないよ」
「よろしい」
美優が首を引っ込めると、艶黒な髪がスルリとドアの奥へ溶けていった。
シャンプーやトリートメントは家族と共用にしているものを俺も使っているわけだが、美優だけなんであんなに髪の毛がキレイなのか。
やっぱり人間の美しさなんてほとんどが遺伝なんだろうな。
俺も美優と同じ血を引いているわけだし、素養はあるはずなのだが、どの遺伝子配列で差が出たのだろうか。
「二階に行くんだよな?」
「うん」
俺がリビングを出ると、そこには神妙な面持ちの美優が待っていた。
唇の前に人差し指を立てて、抜き足差し足で階段を上って行く。
出来るだけ音を立てないよう、慎重に足を運びながら辿りついた俺の部屋の前で、美優は手に持っていた粘着テープを引っ張った。
両手で広げられたテープを俺の口の前まで持ってきて、そっと頬につけながら美優が囁く。
「声を出したらダメだからね。喘ぐのも禁止だよ」
美優の小声が耳元に吹きかけられる。
初めての経験に、ゾクッと下腹部が震えた。
テープが俺の口の両端までペッタリと貼り付けられると、美優はまた『静かに』のサインをしながら俺の部屋のドアを開ける。
中は薄暗かった。
日光はカーテンに遮られて、隙間から漏れる光だけが室内のわずかな輪郭を作っていた。
俺は美優の後ろを歩き、ドアを閉める。
カチャッとドアノブが戻ると、数秒の静寂の後に、空気が漏れるような音が聞こえてきた。
耳を澄ましてみると、どうやらそれは人間の呼吸音のようで、ふー、ふー、と苦しそうなか細い息遣いをしている。
「むんっ────ッ!?」
驚きに漏れ出た声に、美優は俺の服を引っ張って警告をした。
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