加賀と銀座
瞬く間に三機の九九艦爆へとなり、空へ、垂直に上昇していった。
「目標、敵集団中腹。民間人がいないことを確認して、攻撃を開始してください」
程なくして激しい爆発音とともに、鎧集団が吹き飛んだ。
先頭を切っていた兵士たちの足が止まる。この隙にと加賀はさらに距離をとり、再び九九艦爆を発艦させた。
◯
銀座の空に陸上自衛隊のヘリが到着した時、すでに十数機の竜騎兵が落とされており、制空権は確保されていた。
また銀座の街を占拠せんと集まっていた鎧集団は、爆撃により壊滅的なダメージを負っていた。
人々が皇居内へと避難し、陸上自衛隊による皇居前奪還作戦が終わる頃には。
銀座の空を飛んでいた零戦は、一機もいなくなっていた。まるで幻だったかのように。
人々を守るように飛んでいた零戦と艦爆は、無事加賀のもとへと帰還した。
「門の向こうへ行けば、帰れるかもしれない」
ひとりごちた加賀が閑散とした門を潜り、しかし辿り着いたその先は。
加賀の知らない、異世界だった。
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