ハーメルン
俺の妖精達はまちがっている。
妖精達との会合

目の前に佇む三騎の英霊。
召喚されるはずのない、召喚術式から現れた者たち。
そして目の前の存在は魔術師として三流の俺でもわかるほどの強者の雰囲気を纏っている。
その三騎に近づかれた時は死を覚悟したのだが、その後に返って来た言葉に自分の耳を疑うことになるとは思わなかった。
俺の聞き間違いかと思ったので、確認を取ることにした。

「えっと、なんだって?」

「はぁ?お前この私に二回も同じことを言わせる気かよ?」

めっちゃ睨みながら心底嫌そうにこちらを見てくる赤髪の少女。
威勢よく吠えてくるが、三人の中で一番小物臭がするなんて本人には口が裂けても言えないが、そんな感じがする。
特に最近巷で人気のわからせる系に出てきそうな子だ。
まあ俺はロリコンでは無いので、そのような性癖は持ち合わせていないのだが・・・
・・・ほんとだよ?嘘じゃないよ??

「トリスタン言葉を慎め、いきなり現れた我々に対して驚くなという方が無理があるだろう」

金髪のでかい女の子が赤髪の女の子を先程から宥めてくれている。それに関しては本当にありがたい事だが、一番怖いのは彼女であることは黙っておこう。
それこそ何されるかわからないしな。
もし機嫌を損ねてあんな巨体に薙ぎ払われたら、インドア派な俺はポッキーよろしくぽっきり折れてしまうからな。

そんな二人を置いてこちらに近づいてくる蒼銀の騎士。
二人と比べれば小柄で、そんなに強そうには見えないが、俺の直感によると、この子が一番やばいと本能が叫んでいる。

というか全員に対して本能がやばいと叫んではいるがな。


「で、君が僕のマスターかい?」

じろじろ見てきて最初に放った言葉がそれだった。

マスターとは、過去の偉大なる英雄やその宿敵であった反英雄それらを英雄の座と呼ばれる場所から呼び出し使役する者。
呼び出された人物はサーヴァントと呼ばれ、呼び出された人物に令呪と呼ばれる絶対命令権三角によって行動を縛られるモノ。

日本における聖杯戦争と呼ばれる魔術儀式で使われていた術式のようだが、今回のカルデアはその術式を利用してサーヴァントを使役しようと考えていた。
だが、本来の目的とは違う形での召喚術式になるため、改善と改良を加えなければならなかったのだが、それは今現在までほぼうまくいくことは無かった。
そして今回の実験もこれから先の召喚術式の完成に向けてのデータ収集だったわけだが、どういうわけか三騎同時に召喚が成功してしまったようだ。


そして、そのマスターとなったのが・・・

「・・・俺なのか?」

「自覚が無いのかい?君と私たちはパスが繋がっている筈なんだけどな。ほら、なにか感じないかい?こう、ほら強いぞーって感じのなにかとかさ、繋がりとかね」

凛々しい顔つきから一転子供みたいな無邪気さで俺との繋がりを確認するように確かめてくる。
そう言われて、自身に変わったことが無いか確認してみると、特にそれらしいものは見当たらない。
それに令呪と呼ばれるものも見つからない。
普通であれば掌に赤い紋章が浮き出る筈なのだが、俺の掌にはそれらしきものは存在しない。
それに魔力パスもどうやら繋がっている感じがしない。
だが、それだとどうして彼女たちは俺がマスターだと分かったのだろうか。

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