ハーメルン
ラスボス?いいえクソ雑魚幼女です~元社畜の異世界幼女生活~
05.運の無い人達



◆黒い獣の背に乗って



「ひいいいぃぃぃ~~~!?」


一体どういう状況なんでしょうか。

(アンナ)は"森神様"に誘われて、とても大きな黒い獣の背に乗っています。速いです。すごく揺れます。怖いです。


「ぴぃっ!ぴぃっ!」
「た、たすけてぇ~~~!?」


森神様が何か言ってますが、私は彼女の背にしがみ付いて振り落とされないようにするので精一杯です。

……ところで、森神様は私のお願いを聞いてくれたのでしょうか?

黒い獣の疾走する先は、私の村がある方角のようですが……


「ヴォヴルルルルッ」
「ぴぎゃあ~~~っ!?」


黒い獣の疾走が更に加速しました。

お父さん、お母さん、ごめんなさい。アンナは皆の所へ戻る前に死ぬかもしれません。










◆村を見下ろせる崖の上にて



「ア、アンナちゃん?お~い……駄目だこりゃ。完全に気絶してる」


アンナちゃんがジャガーノートさんの背に揺られて、白目を剥いてしまった。僕よりもアンナちゃんの方がステータス値は高い筈だけど、ジャガーノートさんへの騎乗は体力よりも慣れが肝要だったようである。上下の揺れに無理に抵抗しないのがコツよ。

僕達と並走して付いて来ていたハチとポチにお願いして、彼女を優しく地面に下ろしてもらう。


「……さて、どういう状況なのかな。アレ」


僕達が立っている崖からは、恐らくアンナちゃんが暮らしている村を見下ろす事が出来た。

僕はジャガーノートさんの背に乗ったまま、村の様子を確認する。

粗末な木の柵で広く囲われた土地の中に、質素な作りの家が立ち並ぶ様子は、正に中世ファンタジー世界の田舎といった趣だった。コミュニティとしての規模もそう大きくはないように見える。



そして、村の広場と思われるような場所に、老若男女問わず大勢の人間が座らされていた。


「………」


一瞬、村の祭事かとも思ったが、座らされている人達の周囲には、剣や槍を構えた物騒な人間が彼らを取り囲んでいた。

僕は適当に武器を構えている人間の一人に対してステータス画面を要求する。ちょっと距離が離れていたので、相手のステータスを確認出来るか心配だったが、無事にウインドウを開く事が出来た。



――――――――――
名前:ダスト
性別:男
種族:人間
クラス:野盗
レベル:5
ちから:20
すばやさ:18
かしこさ:15
うんのよさ:13
――――――――――



……予想的中。

念の為、他にも何人か武器を持った人間のステータスを確認してみたが、揃って"クラス:野盗"だった。つまりはならず者集団である。


「それじゃあ、あっちの人達は……」


座らされている人々のステータスも確認したが、皆アンナちゃんと同じく"クラス:村人"であった。

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