03
□巨人の隠れ里
「【山竜王】!? なんでここに――!」
最初にソレに声を上げたのは、狩人として最も夜目に優れたローグルだった。
次いでその言葉に心当たりのあった他の巨人たちが彼の視線の先を追い、全くの未知だったエクスが遅れてそれに続く。
その直後に大激震が里を襲った。
まるで天地がひっくり返ったのではないかと錯覚するほどの大揺れ。
縦横に波打つ衝撃で大地が軋みを上げ、そこかしこで崩落の音が鳴り響いた。
そしてその原因となった襲撃者――【山竜王】とローグルが呼んだ者の姿を改めて認識する。
――それはさながら、一個の動く山だった。
巨躯を誇る巨人をして尚も巨大。
標高にして七〇〇メテル以上を誇り、それに倍する山裾を四つ脚で支えながら、<番兵山脈>を踏み砕きつつ里に進路を向けている。
エクスにとっても過去最大級となる巨大生物。
その頭上に表示された【山竜王 ドラグマウンテン】の銘。
遠目には山を背負った巨大な陸亀のようにも見えるそれは――疑いようもなく<UBM>だった。
「活動期だぁ!? なぜだ! アレはまだ眠ったままの――否ッ、そもそもずっと西にいるはず!」
「こんな東の果てまで歩いてくるはずが……、ッ! そうか、<アクシデントサークル>か……ッ!!」
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