ハーメルン
最終到達点『ロドス』
EP.04 合縁奇縁

 夜明けだ朝焼けだ。彼の太陽は変わることなく大地を燃やしている。手加減してくれても良いんだぞ? 空はまたもや砂塵によって黄色く濁っている為、日の強さは弱まっているが熱いものは熱い。
 大地を蹴り飛ばしてその反響に耳を澄ませる。辺りに生物の反応は無いし、目視でも何の面影も無い。行くか、とバッグを持ち上げたらまた一回り重くなっていた。開けて見るに今度は犬っころが二匹に増えてた。冗談ではない。
 方や純白に所々赤く染まった毛皮の犬っころに、方や赤いのと同じ模様の青い毛皮の犬っころだ。因みに昨日居たのは青い方だ。クピークピーと呑気にイビキをかいている。

 旅は道連れ世は情けってか。変な拾い物をしたものだ。私は構わずバッグを背負い直し、バサバサ、ペコッペコッ、シャランシャランとのんびり歩く。餌はどうしようかと適当に考えながら。



***



 明くる日。風が弱まり太陽が容赦なく照りつける昼頃。私は岩影で燻した野犬の肉片を二匹の犬っころに齧らせていた。山に近づくに連れて植物の姿が所々に見え始めた。地下水も地表に程なく近い為、あと少し歩けば山の麓に着くだろう。
 かと言ってガンガン照りつけられて熱された大地を踏むのは遠慮したい。最近良く見る青空を眺めながらそう思うのだ。

 ……遠くに妙な砂埃が見える。風で飛ぶにしては少し不自然だ。何かがいる、その考えに行き着いた私は肉片を犬っころどもの口に突っ込み、錫杖をシャランと奏でた。
 反響が対象を捉える。二足歩行の鳥類だろう。羽が退化した代わりに脚が凄い発達した種類だったか。背中に何かを乗せているようだ。恐らく人間だろう。そんな存在が三体いる。しかも進行方向からして此方に向かっている。

 ───如何様にして察知した?

 と思ったがこんな砂漠で青と赤は流石に目立つか。まあ対策案を練るのも馬鹿馬鹿しいし此のままで良いかな。

 おっと、随分と速いな。もうすぐ近くにまでやって来ている。あの村で飼っていれば此の旅路も楽になったのに。無い物ねだりしても無駄か。
 さて久方振りの人との会話だ。私は言葉は覚えているかな?

 三人は20m程先で鳥類を乗り捨てて私に駆け付けてくる。全員男だ。襤褸を身に纏い、黒い肌は土と汗で汚れて異様な光沢を持っている。私に向けられた瞳はギンギラギンに燃えたぎっており、とても切羽詰まる表情だ。見れたもんじゃない。

 ───何用か……

 正面の男に話しかけたら、その男はサーベルを抜き放ち問答無用に振り下ろしてきた。剰りにもの思慮の低さに苛ついた私は錫杖でサーベルを叩き折り、杖先で脳天をぶち抜いた。
 痙攣する男を捨て置き空いた右手でホルスターから解体用のナイフを取り出した私は、呆けている右の男に放った。寸分違わず脳天を刺し貫いたのを確認して、左の男を見れば犬っころどもに首を落とされていた。犬畜生に負けるとは情けない。

 脳天に刺さった錫杖を取り一振して血を飛ばす。まるで変わらない姿が其処にあった。
 解体用のナイフは頭を貫通して地面に血まみれで刺さっていた。少々ばっちいので水で血を流してからホルスターに仕舞う。
 死体を漁れば襤褸以外にはサーベルと弓、矢の無い矢筒、空の水筒、趣味の悪い笛を見つけた。もう一人も漁ろうとしたがはおもちゃにされていて触りたくなかったので放っておいた。

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