ハーメルン
因縁の相手は階段
1話 転生、そして修行

生まれ変わったら幼女だった。
年齢は6歳。
なんで分かるかというと、自分の前世の記憶をたった今思い出したからだ。
おかげで絶賛混乱中。
えーと、俺の名前は佐藤・・・いやこれは前世だ。
今更思い出してもしょうがない。
今の名前は、えーと、、、なんだっけ?
記憶に霞がかかったみたいだ。
今生の記憶が途切れ途切れになってる。
もしかしたら記憶喪失?
前世を思い出して今生の記憶があいまいになるとか漫画かよ。
本当にこんなことあるんだと思いながら頭をかいたら鈍い痛みが走った。


「痛っ!?
なんだこれ?たんこぶか?」


どうやら頭を打ったらしい。
後ろを振り返ると古民家のように急な階段があった。
ここから落ちたんかい。
良く生きてたな。
いや、死にかけたのかな?
だから思い出した説あるなこれ。


「大丈夫かくいな!?」


思考にふけっていると眼鏡をかけたおじさんがかけよってきた。
あ、この人お父さんだ。
顔を見たら思い出した。
ついでに名前も思い出した。
くいな。
くいなだ。
シモツキくいな。
自分の名前を反芻する。
するとどうだ。
情報が滝のように脳にあふれてくる。

そう、シモツキくいな。
家は剣道場。
女だけど最強の剣士めざしてがんばっている。
そして、前世の記憶が結合していく。

くいな。
ロロノア・ゾロ。
ワンピース。
階段。

ああ、なるほど。
数年後私を殺すのはこいつか。
私を心配して抱きかかえた父親の腕の中から階段を睨みつけた。
足元には気を付けよう。
私はそう誓った。









〇月〇日

あれから3日。
お医者さんに診てもらい、問題は無いと判断されたので道場で竹刀を振るっている。
まだゾロには会ったことはない。
確か2歳下だったはずだから今は4歳だと思う。
剣を習うには早いか。

取り敢えずどうしよう。
ワンピースは好きだ。
でも海賊はしんどいよなあ。
冒険ってガラでもないし。
でも強くならないとこの世界は危ないよなあ。
私が最後に読んだのはワノ国の守り神がどうとかいうシーンだ。
その情報ではシモツキ村にいれば当分安全だが、
ワノ国編が終わったあと何が起こるかは分からない。
この島がゾロの生まれた島ってことで襲われる可能性もある。
それに悪魔の実を食べてみたい。
ファンとして憧れる。

うーん。
とりあえず強くなるに越したことは無いか。
覇気を習得しよう。
女ヶ島の人はみんな使えるらしいし、いけるいける。
ましてやゾロがリューマの子孫?ってなってる以上、
同じ出自の私も才能に溢れているはず。
やればできるはずだ。
がんばるぞ!



〇月〇日



覇気の基本は信じること。
その点私は運がよかった。
ワンピースの世界に覇気が存在していることは漫画を通じて知ってるし、
ロジャーとかビッグマムとかが実際に存在していることも今生の記憶で知っている。

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