第十四話
《え、できるけれど……》
「すぐ頼む!!」
俺の第六感に従うまま、グウェンがファンを反対方向へ回転させるプログラムを組み込むが、最後に彼女はこう付け加えた。
《あー、ピーター?これはあまりおすすめできないけど》
「ゾラ博士がダクトのシャッターを閉めればおしまいだ!これしかない!」
《どうなっても知らないわよ?》
え、それってどういう……と言いかけたところでファンは要望通り逆方向に高速回転し始めた。今まで地下から空気を吸い上げていたファンが逆転したと言うことは、外気を地下へ一気に送り込む気流が発生する。俺は完全にその空圧に飲まれた。
まさに嵐のような有様だった。
「あーーっ!!あーーっ!!アアアアアアアア!!いだだだだだ!!」
ゾラが遠隔でダクトのシャッターを閉める前に俺の体は空気に運ばれて地下へと持っていかれる。体のあちこちをダクト内にぶつけまくりながら。
凄まじい打撃音と衝撃を味わいながら長い地下へのダクトを進むと、体がガァンと地下の通気口を突き破って、勢いそのまま部屋の壁へと叩きつけられる。顔からいったせいで意識が飛ぶかと思った。ずるずると壁からずり落ちて床に崩れ落ちると、驚いた顔をしたノーマンと目があった。
「あー、ノーマンさん……助けにきましたよ……ゴフッ」
「君の方が助けがいりそうなんだが!?」
紆余曲折あったが、なんとか俺はオズコープの地下へと潜入することに成功したのだった。
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