第七話
「なんだ、あれは?!こっちに向かってくる!!」
その瞬間、俺の目の前でグライダーがミサイルを放った。思わず飛び出したが間に合わない。ミサイルはそのまま地上にいたスペース・スーツに直撃。パイロットと近くにいた作業員や研究者たちも巻き込んで大爆発を起こした。そして飛び抜け様にダメ押しで野球ボールサイズの爆弾もグライダーは投下。証拠を隠滅する様に次々と爆発してゆく。
飛び出していた俺は爆風の衝撃を体に受けて吹き飛ばされ、ビルの壁に叩きつけられた。そのままずるずると地上に落ちて体を強く打つ。想像を絶する痛みが体を駆け抜けた。スパイダーマンパワーを身につけていなければ死んでいただろう。
土煙と瓦礫が崩れる音が響く中、グライダーはスーツが立っていた実験場を見渡し、完全に破壊されたのを確認すると再び夜闇の中へと消えてゆくのだった。
「……あれは……ウェンディ……なのか……?」
割れてしまったサングラスを外して見上げる。そこには夜空へ消えてゆくグライダーの放った飛行機雲が残っていた。一体なにが起こっているのか、この時の俺にはまだ理解できていなかった。
それがあの事件の始まりだったということを。
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