童貞クンいらっしゃい♡ 白衣の天使ドスケベ久美ちゃんと行くマジックミラー号、with風の谷のナウシカ (甲乙さまご提案)
自分でも分からない所があるの――――」
きっと過去の自分が見たら、「こんなの私じゃない!」と言うだろう。声を大にして叫ぶハズだ。
いくらトルメキアを始めとする列強の脅威が迫っているからといって、ウチの谷がすごく貧乏だからといって、なぜ私はこんな事に? AVなんか撮る羽目になったの?
ちなみにであるが、現時点でナウシカさんは、いわゆる“清らかな身体”である。
谷が滅ぼされちゃう! お金を稼がなきゃ! という切迫した状況ゆえに、だいぶ精神と言動がおかしくなってはいるが……、でもまだ何の経験もない生娘であるので、そこはご安心頂きたく思う。一応。
本当は、せっかく最近“アスベル”という素敵な男の子と知り合ったのだし、彼にお願いしてハジメテを貰ってもらおうかな~、とも思った。AVとかやる前に。
けれどあの野郎……今ユパ様と一緒に旅に出てやがるのだ。腐海の謎を解き明かすお手伝いなんぞに行ってやがるのだ。こちらの状況も知らずに。
仕方ないのでナウシカは、このたびAV監督兼、女優さん兼、企画立案をするディレクター兼、撮影や製造や販売もこなすマルチなスタッフとして、業界に足を踏み入れたのだ。
道理とか、筋とか、統合性とか、説得力とか、そんな物は知らない。
とにかくナウシカはAVで一旗あげる事となり、こうしてはじめの一歩のヒロインである久美ちゃんをも巻き込み、今ナンヤカンヤしているのだ。それが全てなのだ。
「久美ちゃんには是が非でも、私のAVに出て貰うわ。
これも谷の人達の為……。辛いだろうけど、今は耐えて頂戴」
「なんでですか! 私なんにも関係ないじゃないですか!
今日会ったばかりなのに! まだLINEの交換すらしてn
「ごめんね、貴方の泣き言を聴いている余裕はないの。一緒にAVに出ましょう(閉廷)」
せめて出演料は弾むわ。トリウマ三頭と、ヤギの乳を樽1つ分あげるから。……お金とかは無いけど。
そう謎の決意を噛みしめたナウシカが、おもむろに懐から“虫笛”を取り出す。
紐の付いたそれを、空中でヒュンヒュン勢いよく回し始め、鋭い風切り音と共に、どこか不思議な音色を奏でていく。
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