ハーメルン
銀河英雄伝説 ファニー・ウォー
第三話 灰色計画

 ヤンは苦笑した。あれだけの金持ちなら100万ディナールぐらい残してくれてもいいのに。もちろん口には出さなかったが。

「見ても、よろしいのですか」

 ヤンの質問に弁護士はうなずいた。ヤンはノートを手に取るとページをパラパラとめくる。

 中身は日記だった。今から三十年以上前の日付が記してある。主に書いてあるのは、何かの商店への支払いと、ツケの記録である。後は、ちょこちょこ噂話のような書き付けがある。

 日記帳というよりは、借金の台帳、あるいは醜聞のメモと言うべき本だが、こんな本でも帝国史の発展に大いに貢献する資料となるかもしれない。ここに書いてある事が真実であると『みんなが』確信すれば、だけど。

 これがゴールドバーグ教授の試験、それの合格証書ということか。

「どうですか。相続は放棄することもできますが」

「いえ、ありがとうございます。ありがたく頂戴致します」
 ヤンは、遺産相続に関する何枚かの書類にサインして、ノートを受け取り、弁護士事務所を後にしたのだった。

 

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