ハーメルン
My Hero Battlefront ~血闘師緑谷出久~
第20話:すごく悔しいけど
「ちょっと待ってください!最下位除籍って……入学初日ですよ!?いや、そうじゃなくっても理不尽すぎます!」
「残念だがこの程度の理不尽、まだまだスタートラインってところだ。事故に災害、
敵
(
ヴィラン
)
犯罪。いつどこから来るかわからないあらゆる厄災に対応していくのがヒーローというもの。放課後マックで談笑したかったならお生憎様、その期待は捨ててくれ。これから三年間、雄英は君たちに数々の苦難を与えていく。
Plus Ultra
(
さらに向こうへ
)
さ。全力で乗り越えて来い」
突然の除籍勧告に生徒達は必死に抗議をしている。それも当然だろう、せっかく苦労して雄英に入れたのに除籍されるなんてあんまりだ。せめて普通科への強制移籍ならまだチャンスはあるというのに、これじゃあみんなの言う通り理不尽すぎる。
しかし相澤先生は聞く耳を持つことなく、こっから本番だからはやくしろと急かしていく。いきなり除籍なんて絶対嫌だと、みんな必死で気合いを入れ直している。もちろんそれは僕も同じだ。
「
あははなーんだあのヌエっぽい獣達草食だったんですね食べられるかと思って必死で戦って損したなーもー師匠ったら驚かせるにしてもちょっと怖すぎますよ僕もお灸を据えられるようなことをしたのはわかってますが……え?草食だけどとても嗜虐的で他の生き物を甚振り尽くして殺す趣味を持ってる獣?何それ怖いです師匠もしかしてあの時抵抗が数瞬遅かったら僕の右腕って今頃ブツブツブツブツ……
」
「緑谷君!おーい緑谷くーん!?」
「そろそろ帰ってこいアホ」
「あいだっ」
そう、同じなんだけど……
修行時代
(
トラウマ
)
を思い出して気合を入れる前に絶賛現実逃避中です。まさか相澤先生の気配から師匠を思い出すなんて思いもよらなかったよ。嗚呼、花の学校生活が鈍色に染まりそうだ……。
なんてブルブル震えているところに容赦のない拳骨が頭に落ちてきて正気に戻る。麗日さんに変な所見せちゃったな。まあそのあたりの弁明は後にして今はテストだ。初日に除籍されて母さんを卒倒なんてさせたくないぞ。
全ての手を見せてでも勝ちを取りに行く!というわけではないがそれでも気合いを入れ直す。とりあえず血法を軸にどう記録を出すか考えていこう、話はそれからだ。
◆◆◆◆◆
というわけで最初は50m走。早速個性の影響が出やすい種目のため、やはり記録は大きくバラける。普通に、もしくは四足歩行で走る人もいれば、個性を使い好記録を出す人もいる。
飯田くんがその例だ。個性で足が車のエンジンのようになっており、それを駆使して50mを約3秒で走り抜けた。それでも短距離じゃフルスロットルにならないらしく、実際はもっと早いらしい。マニュアル車のようなものかな?
そうしていると僕とかっちゃんの番になった。こちらの準備が出来たら開始してくれるらしく、計測前に個性で色々して準備しても構わないらしい。
それはありがたいけど、個性を使うにしてもこうも開けたところで移動となると相性が悪いな。
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