ハーメルン
My Hero Battlefront ~血闘師緑谷出久~
第5話:歓迎しよう
「ほれ、とっととそいつらを警察に保護してもらえ」
「え、あ、ありがとうございます」
「早くしろ、俺らはすぐにでも突撃すんぞ。
……まだ納得はしてねえがあんな啖呵切って組織に入ったんだ。無様な姿晒して旦那を危険に晒すんじゃねえぞ」
「……ッ!もちろんです!クラウスさんの背中はぼ、僕が守ってみせましゅ!!」
「噛まなきゃもうちょい様になったが、まあ見れた顔になったから良しとしてやるよ」
ニヤリと笑ったザップさんはそのまま元気よく突撃していく。あんなに酷い怪我をしていたのにもう元気に動き回ってる。本当に軽傷だったのかそれとも怪我を忘れてるのか?そんな余計なことを考える程度には心に余裕が出来たことを認識出来た。
親子を警察へ保護してもらい、今度はそのままクラウスさんに背負われ戦場へと向かう。
……間もなくあの凄惨な現場の前線に僕は出るだろう。恐いのは変わらない。でもそれとは別に安心感もある。
「ところでイズク君。先ほどの君の言葉だが、一つ訂正するべきだ」
今僕はもっとも揺るがない要塞のような背に、守られているのだから。
「君はヒーローになりたいと言ったが、それは違う。―――君はすでに、あの親子にとっても、私にとってもヒーローなのだから。
挫折を乗り越え諦観と決別し、君は止めていた足を再び光に向かい動かし始めた。その決意は正に、絶望を打ち破り突き進む
ヒーロー
(
英雄
)
の在り方そのものだ」
……ああ、あなたは僕のことを高潔だと言うが、高潔なのはあなたの方だ。なにせこの人は言葉一つで僕の心に何年も巣くっていた闇を打ち砕き、光を照らしてくれたのだから。
僕たちは目的の激戦区へ出た。クラウスさんは真っ先に周囲へなだれ込むゴーレム達を防壁を築き誘導。戦いになるや殴り潰そうとする一撃を逆にひき潰し、複数で迫れば小さな十字架をばらまき穿ち、一体も通すことなく打ち倒していった。
ただひたすら迫り来るゴーレムを通さぬよう倒し続けていくと、突然すべてのゴーレムが動きを止め、塵になって消滅を始めた。消滅するゴーレム達の向こうから3人が歩いてくる。元凶を討ち、召喚を止めたのだろう。
16分耐えるといった戦いは、突撃してから10分も経たずに終わったのだった。
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