第六話「出会い」
ユウトside
トーナメントから翌日。今日は平日なので普通に授業を受けている。
今日の準決勝、3位決定戦、決勝は夜からやることになった。
キーンコーンカーンコーン
キリーツキヲツケーレイッ!アリガトウゴザイマシタ!
さて、授業も終わったけど...準決勝の時間までは大分時間が空いてるな。
何して時間を潰そうか。
「ユウト~!」
教室の自席でスマホをいじっていると、アサカがやってきた。
「あ、アサカ。急にどうしたんだ?」
「今日、準決勝は夜からだから、暇じゃない?」
「ああ、確かに暇だね。」
「だ、だから、デートしましょ?」
「うーん、そうだね。じゃあ町にでも出ようか。」
「ええ!」
アサカは笑顔になって、俺と腕を組んでくる。
相変わらず、アサカは可愛いな。姉がいたらこんな感じだったのかな。
「じゃあ、行きましょう?」
「ああ。」
.......
.....
...
.
モブside
「なぁ...」
「あぁ...」
相変わらず、鳴海先輩のラブラブオーラは半端ないな。
久導はクラスでも男女問わず人気だが、女子からは特に人気が高い。
イケメンなのはそうだが、あいつは成績優秀、運動神経抜群で、しかも性格まで良い
今まで何人の女子がフラれてきたのやら。
そんな久導に彼女がいるという噂が出ていた。
一つ上の鳴海アサカ先輩。久導に聞いたら幼馴染とのことだが。
「あの距離感、そりゃカップルだって噂になるわな。」
「ああ。...鳴海先輩、ちょっといいなって思ってたんだけどなぁ...」
「ありゃ無理だわ。」
「...」
「俺もいいと思ってたんだけどな...久導...」
「え」
.......
.....
...
.
ユウトside
「~♪」
「ご機嫌だね、アサカ。」
「だって、久しぶりじゃない。ユウトと一緒に出掛けるなんて。」
「ああ、そういえば最近はなかったね。」
アサカと再会してから、今までの時間を埋めるようによく遊んだ。
というか、一人暮らしで食生活が偏ってるのを心配したアサカが、ご飯をほぼ毎日作りに来てくれるんだよな。
「アサカ、どこか行きたいところある?」
「う~ん...ユウトと一緒だったら、どこでもいいけど。」
「はは、どこでもいいは困るなぁ。」
「じゃあ、ショップにでも行かないかしら。全国大会に向けて、調整もしたいし。」
「ショップか...じゃあ、おすすめの店があるから、そこに行こうか。」
「なんて店なの?」
「カードショップPSYって言うんだ。俺とレンの行きつけの店、というかなんというか。」
なんとなく、今日はあそこに行った方が良いような気がする。
誰かの呼ぶ声が聞こえるというか。俺のユニットの声ではないんだけど。
「ユウトのおすすめなら行ってみたいわ。」
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