ハーメルン
チームハダルとそれにまつわる短編集
グラスとキングと選抜レース その1


選抜レース。最大で4回行われるん…だっけ?俺は自分で言うのも変な話だが、トレーナーとしてある意味、異端だ。なにせ、トレーナーとして必要…どころか競バのファンであれば誰もが知っているレースの日程といえば良いのか?この月にはこんなレースがあるというのをちゃんと覚えていない。流石にGⅠのレースが何時あるのかぐらいはだいたい覚えているけど。というか、担当を持った時に彼女が目標にするだろうレースはだいたい覚えた。だいたい。それでも、ダートだとかマイル、短距離みたいな元担当の適正距離外のレースは全く分からない。(一応、デジたんのために勉強はしている)なので、選抜レースが年に何回何時あるのかが曖昧でも仕方がない。そもそも、俺のスカウトはこれまで大抵、一回目で終わっていたし。

というわけで、先日、俺をトレセンまで連れ帰ってきてくれたグラスワンダーとの約束を果たすため、ついでにうちのチームにスカウトしたい子を見つけるために俺はターフにやって来ていた。

事前に仕入れた情報というか、入学試験の時の結果を見ると、どうやらこの世代は高い素質を持った子が4人(と個人的にあと1人)、いる。で、

「おい、お前は誰狙いだ?」

「俺はあのエルコンドルパサーかなー」

「セイウンスカイはどうかしら?」

「あの子はサボり魔で有名だから、扱いが難しいそう」

「じゃあ、スペシャルウィークとグラスワンダーかね」

「どちらもいい末脚を持ってるな」

どうやら他のトレーナーの噂話的にもやはりその4人が注目されていた。

適正距離が全員似たり依ったり…か。エルコンドルパサーがダートも走れるから、どう出るか分からないけど、スペシャルウィーク、セイウンスカイ、グラスワンダー、キングヘイロー。この子たちが今年のクラシックを席巻しそうだ。

まぁ、とりあえずチームにスカウトする候補はこの4人の中の誰かだな。あとは桐生院とウマが合うか。因みにセイウンスカイはもしも()()()()としてスカウトするなら彼女一択だが、絶対に桐生院とセイウンスカイはウマが合わない気がするので最初から除外だ。

「あら、迷子のトレーナーさん来てくださったんですね。ありがとうございます」

トレーナーの一群から離れた木陰でターフを眺めていると噂のウマ娘、グラスワンダーが話しかけてきた。

「うぐ、迷子だったのは事実だが、あんまり言わないでくれ。」

「ふふ、ごめんなさい。…風邪ひきませんでしたか?」

「あぁ、おかげさまでピンピンしてるよ。」

「それなら、良かったです。…レース、見ててください」

「当然だ。楽しんできてくれ。」

「はい、行ってきますね」

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