生物淘汰計画とベテラントレーナー
平行世界のお話をしよう。
劇場版ポケットモンスター、『ミュウツーの逆襲』というお話がある。
それはミュウツーというコピーポケモンによって大量のコピーポケモンが生み出されて人類とポケモンを淘汰するという物騒なお話である。
とあるマサラタウンからやって来たトレーナーのことを仮にサトゥーシ君と呼ぶことにしよう。
彼がオリジナルとコピーの悲しい争いに涙し、ミュウとミュウツーの決戦を止めようとした結果石化してしまう。
その現象にポケモン達はオリジナルとコピー問わずに涙を流すことで石化は解けてコピーポケモン達は立ち去り解決する物語である。
何故平行世界のお話をしたかって?
だってこの世界にはサトゥーシ君がいないからさ。
本来ならば止まる筈だったミュウツーは止まらず大量のコピーポケモン達を率いてある行動を実行するのだ。
つまりは人間とポケモン達を淘汰する生物淘汰である。
『キャァァァァァァァァァ!』
『嫌ダァ!死にたくない!』
『誰か助けてぇ!』
燃え盛る町で人間が悲鳴を上げる。だが被害に遭っているのは人だけではない。ポケモンも同様に襲われている。
人もポケモンも問わず襲われ、全員が殺されている。
数百を超える大量のコピーポケモン達が跋扈し暴れている。
そして率いるのはミュウというポケモンの遺伝子から生まれたポケモンであるミュウツーである。
『誰が生めと頼んだ!
誰が造ってくれと願った…!!
わたしはわたしを生んだ全てを恨む…!
だからこれは…攻撃でもなく、宣戦布告でもなく
わたしを生み出したお前達への "逆襲"だ 』
本来止まるべき時を見失い、ミュウツーはまさしく人類の敵となったのだった。
「これは酷いですね」
焼き尽くされ、荒れ果てた町の残骸を見てメイは呟く。
「今回の件はゲーチスよりも深刻だ」
「ゲーチスよりもですか?」
メイは尋ねる。
ゲーチスとはイッシュ地方でキュレムを操り、プラズマ団という組織を率いて好き勝手やってた悪党のリーダーだ。
彼はNというポケモンの言葉が分かる青年を王としたポケモン解放という思想で悪巧みをするも、とあるトレーナーに阻止されたので二年後にもう一度悪巧みを行ったところメイという化け物に遭遇してしまった不憫な悪党である。
全力全壊ガールと畏怖される彼女が手加減せず戦った場合、周囲の建物や環境すら破壊する程の大惨事をポケモンバトルで引き起こす。
メイとプラズマ団との戦闘で起こった被害でイッシュの六割近くの施設が壊滅し、被害総額は国家予算を大きく上回りプラズマ団はイッシュ地方において史上最悪のテロリスト扱いを受けている。
ゲーチスはその惨状を聞いて精神破綻を引き起こしたと側近だったダークトリニティと呼ばれる連中から聞いたのは余談である。
「ゲーチスや他の悪党だろうが通常侵略をした際は人やポケモンといった資源を有効活用しようと生かす。だが今回のミュウツーの目的は生物淘汰だ」
「つまり初めから生かすつもりはない虐殺が目的なんですね!だからこんな、酷い……」
「あ、ああ……」
歯切れ悪く答えるコクト。
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