プロローグ
2021年○月△日
「君は弱い」
「くそったれ・・」バタッ
ここは東京が、日本が、この世の全てが崩壊した世界である。
「どうして僕なんかに立ち向かおうとするのかなぁー?」
ある男は倒れている青年に話しかけた。
「どうしてってお前を倒すためだからだ」ハァ ハァ
青年はいかにも苦しいそうにそう伝えた。
「へぇー僕を倒すかぁ・・・久しく聞いたよ」
男は青年の前に立ちニヤついていた。
「ま、僕に殺されるだけでも少しは贅沢だと思いな」
そう言うと男は体から触手を出して、
「遺言はなんだい?」
男は青年に触手を向けた。
「なぜ・・・なぜ俺の仁美さんに手を出した!」ギロッ
青年は唇を噛み締めて男を睨むつけた。
「なぜって彼女は僕の秘密を知ってしまったからだよ」
男がそう呟いた瞬間
グサッ
「ああああああああああ!!」
青年は悲鳴を上げながら周りをのたうち回った。
「ふふいいねー♪その断末魔‼︎」
男はさらにニヤつきを出しもう一回刺した。
グサッ
「ああ・・あうう・・・ああ」
青年はもう悲鳴すらも上げれずにのたうち回った。
「もうこれぐらいでいいか。もう死んだし」
男は触手を戻しこの場を去ろうとした瞬間
ガブッ
「ぜってぇー逃さねえよ」
青年は男の足に噛み付いていたのだ。
「へぇータフなんだね君」
男は笑いながら青年の顎をクイッと持ち上げ
「僕、気に入ったよ君のこと」
そして青年の額に思い切り人差し指を差し込んだ。
ブスッ
「グアアアアアア!!!!体が体がーーーーーー!!」
青年の体が突如に紫に染まっていくのだった。
「僕の血を君に注入したんだよ。ふふどうだい?段々細胞が壊死していくのは」
男は笑いながら青年の額に血を注入していくのだ。ドピュ、ドピュとそして男は少し経つと人差し指を抜いた。
「少しの間だったけど楽しかったよ今度会う時は天国でsee you 」
そう別れの言葉を伝えると男はフッと消えていった。
「あうああえあうああ」
青年の容体はあまりにも酷かった。額はおろか、細胞が3分の1も壊死していたのだ。
「死んで、たまるかってんだ。ぜってぇー」
青年は事切れ寸前だった。
「俺は・・仁美《ひとみ》を・・・救うまで死ねるか・・・・よ」
もう死ぬ誰もが思ったその時だった。
ピカーーーン
突如とても大きな雷が落ちたのだ。
「何・・だあの雷・・は・・・」
「まるで龍・・・見たいだ」
そしてその雷は青年へと近づいてきて
ギャオーーン
咆哮し青年を口の中へ入れて
ギャオーーン
再び咆哮し青年を口の中へ入れたまま時空へと飛び立って行った。
青年は口の中にいる時こう囁かれていた。
(小僧!貴様はまだ死んではいかん貴様がこの邪悪な未来を変えるのだ。)
(誰・・ですか?あな・・たは?)
(名乗れる程名が通った者ではない。)
(さあ着いたぞ早く目を覚ますのだ。)
ピカーーーン
[1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/2
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク