時間がたつのは案外早い
さて、いろいろな事があった世界選手権からすでに半年、小学校も卒業しかかりである。新作も完成し、何だったらもっとすげえのも完成しつつある。流石に一人ではきつかったのでセイとかツムギに手伝ってもらった。ヤジマ商事の専属ビルダーの件だけど、特にまだ何も言われてない。ちょっと偉い人に挨拶には行ったけど、お父さんの息子だって知ったらめっちゃ気さくになったよ偉い人。お父さんどんだけ信頼されてんの。
で、正直困ったことがある。学校だ、夏休み期間中に出た隠し芸大会の映像が配信されていたのだが…注目のされ方が悪かったと言えばいいんだろうか?確かに世界中の人が見てただろう世界選手権だけど、駅に出た瞬間カメラを向けられるほどの注目のされ方はおかしいと思ってたんだ。で、理由ってのが配信の切り抜き。俺がやったことってプラモをメインにするんじゃなくて添え物にしてヒマリを目立たせたミュージックビデオだったんだが、音楽が完璧以上だったのがここでは悪い方向に向かった。
普段ガンプラバトルに興味ない層も音楽くらい聴く。で、あの曲はなんだ?と調べたらそら俺たちしかヒットしないわな。公にはヒマリのオリジナル曲扱いだし、個人の色眼鏡が完全に入ってるとはいえプロ顔負けの歌唱だ。で、そこにさらに追い打ちをかけたのが音楽プロデューサー等の業界人たち。どうやらGPベースでミュージックビデオを作るというのは誰もがやろうとしてやれなかったことらしい。
というのもコスト。GPベースが高い、そんでその高いGPベースでもビデオを作るには広めのものが必要、そこでさらにコストがかさむ、で、動かすプラモ、版権とかの関係で出すのが難しい。よしんば出せても起用するアイドルや歌手に見合う高クオリティの機体を出すのはまた金が要る。当然それを完璧に操るファイターにも金が要る。つまりコストがかかりすぎて無視されてきたコンテンツなのだ。忘れがちだけどこの世界プラモに命かけすぎてるからな。大手のガンプラスポンサー企業には専用のガンプラ開発チームとか普通にあるから、無限にガンプラに金かけていくぞ。ネット見ると塗装済みRGが100万単位でゴロゴロ転がっている。腕さえあればガンプラ売って億万長者になれるぜ?
GPベースってのは高い。そりゃもう高い。しかもプラフスキー粒子の供給はPPSE社にしかできないから独占状態なわけで、模型店には割安でレンタルしてくれるとはいえそれ以外の業界だと普通にウン千万とかだして買わないといけない。商業利用するなら契約も必要だ。
そもプラモと合わせる前提で曲なんか作らないし無理やり合わせてもちぐはぐになるだけ。なら最初から普通に出すのが一番いいっていうことらしいけど。そこで出たのが件の俺とヒマリのアレだ。まあマクロスの曲は基本ドッグファイトを背景にして流れているものだから、そういう意味では相性がいい。で、俺のバルキリーはこの世界においては版権もくそもないオリジナル。
つまり業界人にとってあの動画は「プロ顔負けの歌唱力をもった小学生による基本出来ないと考えてたプラモによるMV」というインパクト抜群なものとして映ったのだ。で、そこから過去のアレとかソレとかが発掘されて一気にバズり、一般人にも知るところになったとか。ここまで4日だって、こっわ。
で、その困った学校の事なんだけど…まあやっかみだ。ヒマリとツムギの方はむしろ女子が結託して守ってくれてるからいいんだけど、というかヒマリと話してるときに俺に視線が向いてるのはなんだよ?問題は男子だ。そらー出る杭は打ってくるですわな。例えば俺とコンビを組んで世界選手権に出たいとかならまだいいよ。断るけど。こう言っちゃなんだけど最低限ツムギレベルには乗れないと俺とコンビは無理だっつーの。だってそれより弱かったら俺が乗ったほうが強いし(確固たる自信)
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