ハーメルン
芹沢あさひ憑依伝
日記1

 ○月×日

 目が覚めたら芹沢あさひだった。やむ。



 ○月△日

 一日経って落ち着いたので、一度自身の状況を整理してみようと思う。

 ・目が覚めたら魔術といったオカルト系の本が積み上げられた「芹沢あさひ」の部屋。
 ・「芹沢あさひ」は「アイドルマスターシャイニーカラーズ」に登場する天才中学生アイドル。
 ・「なんだろうこれ。魔術? 面白そう!」とか言って儀式を行ったと思われる。
 ・儀式は成功、俺憑依?
 ・しかし完全に俺の人格が乗っ取ったわけじゃないらしく、言動は全てあさひ式に変換される。
 ・そのせいか両親には全く変化を気づかれなかった。
 ・これからどうしよう



 ○月□日

 月曜日がやってきたので学校にも通った。
 正直言って「芹沢あさひ」の記憶がない俺にとっては一番の鬼門だと思っていたが、意外にも何事も起こらず一日が終わった。

 というのも、既に「変人」としてキャラが定着してしまっていたのか誰にも話しかけられることはなかったのだ。
 確かに「芹沢あさひ」は作中で自身には友達がいないといったことを発言していた。
 しかし実際にそれを体感してしまうと何だか物悲しくなる。

 学年は中学2年生。283プロのプロデューサーは、俺をスカウトしてくれるのだろうか。



 ○月○日

 家で動画などを見てダンスの練習をしてみたら、自分でも異常なくらいに集中できた。
 これも「芹沢あさひ」の天才性なのだろう。
 一度振り付けを見たら9割はトレースでき、自分が出来ていないことがはっきりと知覚できる。原作でのストイックさはそれ故だと思われる。はっきりと知覚できるからこそ、その残りの1割を直そうと、また10割を超えてそれ以上のものを生み出そうと、ハードな練習に身を投じているのだ。

 1時間ほど体を動かしてみれば、既に動画のダンスは寸分の狂いなくトレースすることが出来るようになっていた。それどころか、我流のアレンジだって入れられる。
 「芹沢あさひ」の才能を埋もれさせちゃいけない。例え中身が「俺」であろうと、プロデューサーがスカウトしてくれる位にダンスや歌の技術を磨かなくては。



 ○月■日

 今日はステップの習得に励んだ。
 一つも苦戦するものはなかった。



 ○月◆日

 歌の練習も始めることにした。
 とりあえずカラオケに行ってみたら、既に大抵の曲を90点台で歌えた。
 100点でも目指せばいいのだろうか。
 素人である俺にはわからないことが多い。



 ●月☆日

 努力すればするだけ面白いほどに成長が実感できる。
 原作のあさひがあれだけ練習に励むのもわかる気がしてきた。

 しかし、彼女に「俺」という不純物が混じっている以上、彼女と同じ輝きを放つためにはあれよりももっと努力する必要があるのだろう。
 「芹沢あさひ」になってしまったからには、「芹沢あさひ」ならば出来たはずのことは出来なければ、体を乗っ取られた彼女に面目が立たない。

 もっと、努力しなければ。



 ●月◎日


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