日記3
そんな彼女の曲である。見つけた時はおぉと声を出してしまった。
その後すぐに、一体どんな歌声が奏でられるのだろうとワクワクと共に動画を再生し始めた。
しかし、いざ聞き終わってみれば頭の中に浮かんだのは「心に響いた」「でも歌は上手くない」という相反する感想であった。
確かに作中でも業界人には「外見以外に取り柄はなかった」なんて評されていた。
ただそれなら、どうしてこんなにも心に響いてくるものがあるのだろう?
どうしてここまで人々の心を掴んで離さないのだろう?
恐らく彼女が売れた原因の多くは、天井努のプロデュース力の高さだ。
「足に合った靴を持ってくるのではなく、持ってきた靴に足を合わせる」なんて強引なプロデュース方法を取ったことで、彼は八雲なみの心と引き換えに莫大なヒットを得た。
彼女の歌に込められた激情が、俺の心を震わせるのだろうか。
それとも靴に合わせられた足が、俺の心を魅了しているのだろうか。
どちらにせよ、俺に真似できそうなのは、「靴に足を合わせる技術」の方であった。
×月△日
283プロダクションについて調べてみれば、「illumination STARS」「L'Antica」「放課後クライマックスガールズ」「ALSTROEMERIA」の、いわゆる初期実装組である4ユニットたちは全て活動を開始していることが確認できた。
ゲームの実装順的に言うならば「芹沢あさひ」はこの4ユニットに遅れて実装される5つ目のユニット「Straylight」に所属することになる。
シャニマスの世界に明確な時系列はないとされているが、実装順番に差のあるアイドルたちのプロダクションへの所属時期には、はっきりとした時間のズレがあるように描写されている。
そのため、芹沢あさひが今現在アイドルとしての活動を始めていなくても整合性はとれる。
問題は、この先俺があのプロデューサーにスカウトされるかどうかである。
オーディション組とスカウト組の二種類に分かれる283プロのアイドルであるが、「芹沢あさひ」はスカウト組の方に分類される。
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