5話
青髪の男と話をしてからは、普通に登校。
時刻は昼休み目前といっても差し支えなかった。
登校したとき、衛宮と遠坂から手に刻まれた令呪に関して聞かれたが、
成り行き上仕方がなかったこと、
民間人には一切危害を加えるつもりもなく、
聖杯戦争自体にも否定的であることを伝えたら
向こうも納得してくれた。
しかし、説得に無駄な体力を使ってしまい、
授業の途中でうとうとすることに。
これでも一応優等生で通っているので、
授業中に睡眠ということに抵抗はあったが、
これから先、なにがあるかもわからないので、
寝れるタイミングでは寝ておく。
まあ、授業がクソつまんなかったっていう理由もあるんだけど。
っと思っていたのが2時間以上前。そして現在。
「寝すぎた...」
数十分取れればいいと思ったが、
まさか2時間以上睡眠を取ってしまうとは。
もはや教室には誰もいなくなっていた。
ここ数日の環境の変化や戦闘が響いているらしい。
それにしてもHRまで誰も起こしてくれないとは。
正義の味方さんは僕の内申点は救ってくれないようだ。
「...ほんとに寝すぎよ?それに無防備だし。誰かに襲われたらどうするの?」
アサシンが起こしてくれたんだろう。
現界をあまりしないように言っていたが、
今回は仕方がない。僕の過失だ。
「悪かったよ。...それで、それ以外に何か...」
って、今気づいた。
「...視界が赤い?...ってかなんでこんなに静かなんだ?」
「...敵襲よ。正確には巻き込まれたって言ったほうがいいかしら」
どうやら本当に危ない状況だったらしい。
「つい数分前に急にここが赤くなったの。それだけじゃない、こっちに来て」
アサシンに言われるがまま、教室を出て廊下に視線を向ける。
そこには、無数の倒れた生徒たちが転がっていた。
「なんだよ...これ...」
すぐそこに倒れている生徒の脈拍を測る。
...トクンとか細いが脈が確認できた。
おそらくまだ死んではいないんだろう。
だがこれは時間の問題だ。
「アサシン、今だけ特例で現界を認める。こいつらを安全な場所まで運んでくれ」
魔術師の結界、もしくはサーヴァントの宝具だろう。
いずれにせよ、近くにデカい霊脈がある以上、
範囲自体は限定されるだろう。
せいぜい学校を覆うくらいだろうか。
「了解。マスターは?」
「...野暮用だ」
「敵のサーヴァントなら今は北校舎の3階よ」
「...助かるよ」
北校舎へと移動を開始する。
...
.....
.......
北校舎で敵のサーヴァントを探していると、
ふらふらになりながら歩く教員らしき人を発見する。
ふらふらとした足取りは今にも倒れそうで...っと。
前に出した足がもつれそのまま倒れそうになるが、
なんとかキャッチ。
「藤村先生...?」
「間桐...くん?」
倒れた教員は藤村先生だった。
いつものデカい声が今はとても小さい。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/5
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク