ハーメルン
ウマ娘全てに愛を振り撒くデジたんと、そんなデジたんに自分だけを見て欲しいと考えるウマ娘概念
告白をしてしまった幼馴染オリウマ娘と、答えを出すデジたん概念


 まさかの呼び出し? なんで? ますます分からない。今は放課後だし行けるけど……。
 もしかして返事だったりするのかな。だとしても返ってくる返事はどうせ……。

 ……でも、これはデジちゃんの慈悲なのかもしれない。話せる最後の機会になるのかもしれない。だったら、行こう。今までありがとうって伝えないといけないし。デジちゃんのどんな返事でも受け入れないと。

 すぐに今から行くと返信して、ちゃんとした服に着替えて部屋を出る。
 雨なんて降ってないはずなのに、なぜか目の前が霞んでしまう。それを拭って、意を決して歩み始めた。


 ──────


 夕日に照らされた三女神像。その前に、祈りを捧げているウマ娘がいた。彼女がアグネスデジタル。普段ならば祈るではなく拝む彼女ではあるが、今回は手を組んで目を瞑り祈っている。

 一人だけだったその空間に、もう一人訪れる。足音を聞いたデジタルは祈るのを止め、その方を向く。

「来てくれてありがとうございます……ナナさん」
「デジちゃん……」

 互いの名前を呼びあって、暫く沈黙。
 少ししてデジタルが先に口を開く。

「──そういえば、今日教室にいらっしゃいませんでしたが……?」
「うん……休んじゃった」
「え……?! まさか体調不良とかじゃ……!?」
「ううん、そういうのじゃないんだ。……ちょっと、ね」
「大丈夫なら、いいんですが……」

 軽い世間話。少しだけ解れた。
 だけどまだかなり緊張している。何度か深呼吸をして落ち着かせた上で、デジタルは続けた。

「あの告白の返事を、させてください」
「!」

 ナナのほうもそれを聞き、一度深呼吸。既に一回やっていたお陰か、身体は震えてはいるものの、すぐに覚悟を完了することができたようだ。ゆっくりと頷いて返事をする。

「……まずは、ありがとうございます。あたしなんかを好きになってくれて」

 慈悲深い笑みを浮かべ、感謝を告げる。即刻自虐的だった部分を否定しようとしたナナだったが、敢えて流して聞きに徹する。

「あの告白で、ナナさんの想いは強く伝わりました。だから……あたしもちゃんと返します」

 互いに向き合う。ちょっと伸ばせば触れあえる距離。そのせいもあってか、デジタルはさらに緊張してしまい言葉が出せない。

「ちょ、ちょっと待ってくださいね。すぅー……はぁ……」
「……無理しなくていいからね」
「……いえ、出します。出さないと、ダメなんです」

 焦りを抱えてしまってるデジタル。思わず色んなところに目線をちらつかせていたある時──目の前の顔が目に入る。

「──!」

 デジタルを見つめるナナ。たまに目を逸らしてちらちらと見ている。
 そこで理解する。ナナも不安なんだ、と。物凄く怖いはずなのに、こうして答えを待ってくれているんだと。 答えを出す義務があるのだと。

 そうしてやっと──ゆっくりではあるが、口を動かす。



 ──言葉は、すぐに出てきた。

[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:5/5

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析