ハーメルン
白玉楼での出来事
白玉楼

モブキャップから扇子を取る

「ん…」
「!」

私の動きが全て止まった
筋肉の動きから心臓の動き、その全てが止まった
氷漬けにされたかのように私は動かない
もの凄く不味いぞこれは…今起きたら
呪い殺されそうだ。
そして今気付いたけど妖力も高い。
私の霊力なんて目じゃない程に高いのだ
プチッと潰せるくらいには。
彼女は私の方に寝転がるとまた寝息を立てて寝た
私はホッと安心するとモブキャップから扇子を取る
「ごめんなさい」
大丈夫よ〜
そのまま最初入った時よりも慎重に出ていく
畳の軋む音も立てないように極力努力して。
私は何とか部屋の外に出る事に成功した。
さて、後は写真を撮って帰るだけだ
私は先程女性から取った扇子を見てみた
…恐らく特注品だろう。紫と水色が使われていて
持ち手付近は薄い水色でその上は濃い紫だ。
白い線で桜や雲の模様が描かれている
確かにこれは欲しい…ていうか桜の模様がある扇子を
京都とかで買ってアイツらに渡そう
でも私なんかがこんなの持っていていいのか?
あなたがつかうならいいわ〜
私は広げた扇子をパチンと畳むとポケットに入れる
そして縁側の下に隠しておいた靴を取り出して履く。
それにしても何か浮かれている気がする
こういうところにくると気分が高揚する
ガダルカナル島やソロモン諸島では兵隊さんと
一緒に戦う(周りから見たらただの変質者)とか
神社に行ったら神様と楽しく雑談とか。
そういう霊等が出る場所になると決まって気持ちが
高揚するのだよ。
私は白玉楼の池にかけてある橋から屋敷を見る
そしてスマホを手に取るとカメラを起動する
ピントを調整してボタンを押す。
写真は取れたようだ、どれどれ…

ちゃんと写っているな。月もあるから夜に行った
という証拠はこれで十分だろう。
私はそれだけ見たがよく見たらなんかおかしいぞこれ
庭で青緑色の服を着たボブカットの少女が木刀を持って素振りをしている
振った時の残像がくっきりと写っているのだ。
それから先ほど私が降りた縁側…そこに先ほどの亡霊が居た
こちらに笑顔で首を傾けている、絵になるんなぁ
じゃなくて。
私は危機感を抱いた、そしてさっさと回れ右して帰ろうとした
でもできなかった。両肩に冷たい手が置かれ、耳に生暖かい吐息がかかる。
そして聞こえたのだ 声が 艶のある声が 聞いていると狂いそうな声が





何 処 へ 行 く の ?





私は叫び声をあげて、門へ走り出した。

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