ハーメルン
氷の剣士と姉妹蝶
4話


「・・・・・・・・・」
「どうしたの?難しい顔して」

 蝶屋敷の縁側で陽の光を浴びながら考え事をしていると、カナエがやってくる。

「・・・・・・・・・この前の柱合会議の事を思い出してた」
「・・・・・・鬼の女の子を連れてた子のことね」

 首を一つ縦に振り、その通りだと答える。

「何で白くんあの時、あの子たちを助けようと思ったの?」

 何故と問われると難しいが・・・。

 答えを考えるのに難儀したが、カナエの真剣な表情を見るに適当にはできない。
 俺は拙いながらも静かに内心を吐露し始める。

「・・・・・・・・・あの兄妹が何かを変えると思ったんだ」
「何か?」

 回答がざっくり過ぎたのか、珍しく呆けた顔を見せるカナエ。

「・・・・・・・・・ああ。ハッキリとは分からないけど、現状を変えることのできる程の大きな何かだ」
「大きな・・・何か・・・」

 ふわふわとした予感だが、俺は確信めいたものを抱いていた。
 それがカナエにも伝わったのか、顔を綻ばせる。

「ふふ、そっか」

 やはり美しいと思う。そして守りたいとも。何に代えても。

 そう思ったのは初めてカナエに会ったあの時からだ。要するに一目惚れだった。








 あの日、カナエに初めて出逢ったあの日。
 俺は任務でとある町を訪れていた。

 鬼殺隊員としてそれなりに任務をこなし、階級もいくつか上がっていて、確か『(かのえ)』くらいだっただろうか。
 任務内容は一晩に一回、人攫いが起きるためそれの調査だった気がする。

 俺は調査のため、夜の町を散策していた。
 鬼は陽の光を浴びてしまうと絶命するので、夜に活動するしかないのだ。

 つくづく鬼殺って人間にとって不利だよな、だなんて思った記憶がある。

 そんな矢先だった。
 夜目であり距離があったためはっきりとは分からなかったが、何者かが子どもらしき影を抱えて移動していくのが見えた。

 俺はすぐに柄に手をかけ、影に向かって走り出した。
 すると、影も俺が跡を追っているのが分かったのか走る速度を上げる。
 俺も負けじと影に着いていく。

 どれくらい走ったのかは分からないが、いつの間にか町の広場のような場所に辿り着いており月明かりが影の正体を映し出す。

「・・・お前か。さっきから俺の跡をつけてきてやがったのは」

 影は着物を纏っており、一見すると人間にしか見えない。だが、奴の眼が人間のそれではなかった。

「・・・・・・・・・お前こそ、ここ最近この町で悪事を働いていた鬼だな」
「だったら、なんだってんだ」
「・・・・・・・・・悪いが始末させてもらう」

 すると鬼は数瞬の間の後、吹き出すように笑い始める。

「ハッハッハ!お前のような人間が俺を始末するだと?世迷言を・・・」
「・・・・・・・・・世迷言かどうかはこれから分かる」
「・・・・・・・・・今すぐ死にたいようだな」


[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/3

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析