ハーメルン
ゆるふわ芦毛のクソかわウマ娘になってトレーナーを勘違いさせたい
2話:トレーナーに見つけてもらうために頑張るぞ!


 薄い服一枚を着て時速80キロで走ってください、ただし安全はありませんみたいなことを言われて、やれる人間がいるだろうか? いや、いない。やっぱり()()()()()()()()()()()()()難しい。

「…………」

 ウマホ内の自撮りを見てやる気を出しつつ、俺はもう一度走る準備を整える。もう一回だ、もう一回。当たって砕けろの精神で何度もやって、この壁を乗り越えるしかない。

 俺は汗を拭うと、再び走り出す。ある程度まで速度を上げて、最終コーナーを曲がる。

 そのままスパートをかけようとした瞬間、強烈な風切り音の中に人の声を聞いた。スパートをかけようとしていたが、そちらに意識が向いてしまう。これは……スペちゃんの声か?

「スズカさん、このスイーツ美味しいですよ! ひとくちどうですか?」
「え、えと……体重管理しなきゃだから、遠慮しておくわ……」
「んむぅ、美味しいのに……」

 聞き覚えのある、活気に溢れた声。それと、艶やかで落ち着いた声。スペシャルウィークとサイレンススズカが近くを歩いているのだろうか。

 しかし――スイーツだと? トレーナーのいるスペちゃんは先輩と一緒にお出かけですか。

 彼女達の会話を聞いていると、心の底がザワついた。スペシャルウィークにはトレーナーがいて、もう選抜レースに出る意味は無い。後はメイクデビューの日までトレーニングを重ねるだけだ。

 つまり、スペシャルウィークは俺達モブと比べたら1歩――いや、2、3歩ほどリードしている状態ということ。そこから来る余裕なのかトレーニングの息抜きなのかは分からないが……俺の耳には、彼女の声が妙に不愉快なものとして聞こえた。

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