ハーメルン
ゆるふわ芦毛のクソかわウマ娘になってトレーナーを勘違いさせたい
2話:トレーナーに見つけてもらうために頑張るぞ!
「ご、ゴールッッ!!」
――グリ子が、1着でゴールインした。2人にだけは分かるハナ差の決着だった。グリ子が歓喜の声を上げて、拳を突き上げる。
「――っ」
身体中の力が抜けた。グリ子は選抜レースで勝利を収め、チームに所属するウマ娘で……一定の実力者とはいえ、負けるのは悔しかった。いや、悔しいなんてもんじゃない。
グリーンティターンは随分と年下の女の子だ。対する俺は、肉体年齢的には子供だが、精神的には大の大人。全力を出した上で少女に負けるなんて、もう……言葉にならねえ。
「う゛ぅ゛……く゛や゛し゛い゛っ!!」
「ちょ、アポロちゃん!?」
「く゛や゛し゛い゛!! 次は絶対負けないから!!」
涙が出てくる。ウイニングチケットじゃないが、感情が溢れて止まらなくなってしまった。自分では落ち着きある大人だと思ってたんだけど……いつの間にか
元
(
・
)
の
(
・
)
身
(
・
)
体
(
・
)
に
(
・
)
精
(
・
)
神
(
・
)
を
(
・
)
引
(
・
)
っ
(
・
)
張
(
・
)
ら
(
・
)
れ
(
・
)
て
(
・
)
いたみたいだ。
勝ちたい欲求って、こういうことだったんだ。
「そ、そんな本気だったんだね……」
「当たり前じゃん……!」
「……今日のところは、終わりにしよっか」
グリ子が翡翠の瞳を微妙そうにひそめてそう言った。いつまでも泣いているわけにはいかない。彼女にはわざわざ足を運んでもらった上、併走と実戦形式のレースに付き合ってもらったのだ。悔しさを表に出すのは悪いことではないが、彼女に申し訳なく思ってもらっては困る。
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