序幕
ここはライザの家の屋根裏部屋、少年少女ら4人の活動拠点であり、彼彼女らの小さな聖域である
「大体タオあんた、また新しい本を地下から持ってきても書いてある字が分からないんじゃ意味ないじゃない」
「しょうがないじゃないか、ひいじいさんが読み方をじいさんに教える前に亡くなっちゃったんだから…」
「それでもなんとか解読しようと食い下がる執念には感心するよ…っておい、折角の本が汚れちまってるじゃねぇか、どうしたんだよこれ?」
「あぁ…来る途中でボオスとランバーに見つかってさぁ…足を引っかけられたはずみで泥の中へドボンと…」
「全く!あいつら~~~!!威張り散らすだけならまだしもしつこくしつこく嫌がらせしてきて~!」
「そりゃあ村の生命線である水源を握る有力者のお坊ちゃんだからなぁ…村にいるやつで逆らえるのはいねぇよ…」
「うぐぐぐぐぐ…やめやめ!こんな話!今日集まったのは島の話じゃなくて島の外への冒険計画の為でしょ!もうすぐ乾季も来るこの季節だからこそ一番の冒険日和なんだから!」
「自分で愚痴を始めたんだろうが(じゃないか)…」
そう言って男二人は同時にため息をつくのであった…
「それはそうと、島の外といえば今日が外から商人が来る日だったんじゃないか?」
「そうだね、村中その話で持ちきりだよ、確か野菜だか何かを商いに来るんじゃなかったかな…」
「外の商人ねぇ…あたし達も見に行ってみる?」
「は?」「え?」
「その商人の到着を、あたし達も見に行くのよ!どうせ手続きとか挨拶とかで永遠と船着き場にいるんでしょ!」
「ええぇーっ!?た、対岸に本当に渡るの!?そ、そんなの聞いてないよ!」
「何言ってんのよ!今日集まった目的は?島の外への冒険計画の為でしょう!島の!外への!!」
「あー…ライザに火がついちまった…これはマジで島の外に行かねぇと後を引くぞ…」
「冒険計画なんだから計画からじっくりと立てないことには――――」
「船着き場に行って!こっそり船を借りて!対岸に行く!―――以上!!」
「諦めろ、タオ―――こうなりゃ腹をくくるしかない」
「さぁ!だらだら話してる暇も惜しい!冒険に行くわよ!!」
「ま、まってよライザー!それにカイルはどうするのさー!」
「大丈夫!大丈夫!きっとクーケン港へ行きがてら合流できるから!―――きっとたぶん」
「おいおいおい…マジで初っ端から無計画じゃねーか…」
そうして少年少女らは家から飛び出し、冒険の序幕をはじm――――
「待ちなさい!ライザ!またレントとタオにカイルまで巻き込んでろくでもないことしようとしてるわね!」
「げっ!お、お母さん!?ま、まだ何もしてない…よ?じゃああたし用事があるから!レント、タオ早く行くわよ!」
「ミオさん失礼しまーす」「しまーっす」
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