ハーメルン
ライザのアトリエ~たった一つの魔法の言葉~
レシピ1―――爆粉うに

―――――賃家を出た二人はアンペルに貰った道具を抱えつつ、ライザの家に向かうことに


「それにしてもライザ、家に戻るのはいいとしても、錬金術はどうやって練習する気なんだい?―――オレはてっきりあそこにあったやつを貸してもらってやるのだと…」


「あー…それね、流石にアンペルさんにおんぶにだっこは申し訳ないというか…」


「ライザが遠慮を覚えた…だ…とっ!?」


「…どういう意味よ?―――まぁ、いいわ話を戻すわよ、あの屋根裏部屋で練習出来たら理想的だなって…アンペルさんに聞いたら錬金術に使うあの大鍋、特に特殊な物じゃなくて単に火にかけられるのと、ある程度の大きさが確保出来てればいいらしくて」


「ふーん…不思議なものだな…オレには料理の煮込みと錬金術の違いが分からねーや…んで、その大鍋にアテはあるの?」


「それなんだけどね、うちで昔に使ってた大鍋が確かまだ倉庫に転がってたような気がしたのよね…それを屋根裏部屋までもっていこうかなって」


「一応聞いておこうかな…その大鍋、誰が運ぶんだい?」


「…頼りにしてるわよっ!」


「―――…ですよねー…」


「これで大鍋の解決はしたからいいけど、まだ何個か問題があるわね…アンペルさんがもう使ってないからって、採取の際に使う水筒やら瓶とかもらったけど、錬金術で作った後の道具とかを入れる鞄も欲しいし…あと試験管とかも、さっきの中和剤みたいな液状のものを入れられる瓶とかも必須よね…」


「―――それならフレッツさんの雑貨屋によって買って帰ろう」


「え?でも私お金そんなに持ってないわよ?―――今月のお小遣いも、もう少ないし…」


「そこは気にしないでくれ、オレが代わりに出そう―――これでも漁師さんの手伝いやら、薬草採取で結構儲けてるんだよ?」


「そ、それは流石に悪いわよ…」


「ふふ、そんなに気後れするなら出世払いでもいいぞ?」


「…あたしのお小遣いしばらくなくなっちゃうけど背に腹は代えられないかぁ…」


「それに錬金術で何か便利な物とか作ったら、村のみんなが買ってくれたりするんじゃないか?少なくとも、うちの父さんは物珍しさから何か買うと思うぞ?」


「なるほどー…その手がありましたか、でもまだ何も作ってないし、売ってもないからお金は増えないんだけど…カイル、悪いけど貸してちょうだい、必ず返すから!」


「あぁ、返金は気長に待ってるよ」


―――――そんな会話をしつつも雑貨屋で買い物してからライザの家に帰宅する


「―――…んで、この大きな鍋を、屋根裏部屋まで運べと…?いや、デカすぎないかこれ、何に使ってたんだよ…」


「あははー…確かに大きいわね、記憶だとお父さんが麦種の選別とかに使っていたはずだけど…なぜか昔っから家にあるのよね、なんでもお父さんのおじいちゃんのおじいちゃんのまたそのおじいちゃんからずっと家にあって、不思議と劣化もしないし代々使ってたけど、流石に重いとかでお役御免になったとか…一応家に代々伝わるものだから捨てるのも忍びないとかなんとか…」



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