ハーメルン
ライザのアトリエ~たった一つの魔法の言葉~
レシピ2―――グラスビーンズ

―――――次の日の朝早く、カイルは昨日「朝早くに家の前で」とライザに言われその通りに家の前で待っていた


「さて…今日も畑を―――ん?カイル君じゃないか、こんな朝早くからどうしたんだい?」


「―――あっ、カールさん、おはようございます―――ちょっとライザに呼ばれて…」


「娘がこんなに朝早くから?デートするにしてももう少しゆったりでもいいだろうに」


「っ!?違いますっ!」


「ははっ…冗談だよカイル君―――何かと最近娘が苦労を掛けているみたいだね?」


「いえ、そんなことは―――」


「無理して取り繕わなくても大丈夫だよ、どの道娘は行く先々で苦労を掛けるだろう?」


「それは…まぁ、そうですね」


「誰に似たのか、いや?母さんにかな?お転婆娘になったものだよ―――ライザが畑仕事を抜け出すにしても、ちゃんとした何か目標を持ったみたいで安心してるんだ」


「え?あれって態と抜け出すようにしてたんですか…?」


「母さんと娘には内緒だよ?ライザには無理してまで私の畑を引き継いで貰いたいわけじゃないんだ、もちろん喜んで引き継いでくれるというなら渡す気ではあるが」


「え?畑好きのカールさんならてっきり―――」


「何事も無理強いはよくない―――それに、ライザには…若い内に色々と経験して貰いたいんだ、私は毎日畑の世話をすることは大事だと説くけど、それと同じようにサボる事も大事だと思ってるんだよ?自分なりの息抜きこそ、長く続ける秘訣さ…まぁ私は畑を弄る事そのものが息抜きになってしまっているんだがね」


「―――…カールさんは大人ですね…」


「いいや、私こそ子供だとも―――そしてある意味ではライザも同じようになって欲しいと願っているがね」


そんな会話をしていると家からライザの声が聞こえてきた


「おっと…私は娘に会う前に行くとするかね、今会ってしまうと畑仕事へ誘わないといけなくなってしまう、ではカイル君、娘を頼んだよ」


そういうとカールは速足で畑に向かうのだった


「カールさんは凄いな…」


「―――お待たせカイル!―――ん?どうかしたの」


「―――いいや、何でもないさ、ただ大人はカッコいいなって…」


「何よそれ…変なカイル」


「―――それで、今日はまた何でこんなに早く呼び出したんだい?」


「そうっ!対岸に行くわよ!」


「唐突だな…ちなみに目的は?」


「そりゃもちろん錬金術に使う材料の為よ、昨日もう一個作るって言ったでしょ?なんでも薬の材料になる物が必要らしいのよ、カイルあんた薬草とか対岸によく取りに行ってたでしょう?その場所まで連れて行ってほしくて」


「薬の材料…?それって何でもいいのか?」


「うん、薬の材料となる何かと花が必要らしくて…」


「そこに生えてるぞ」


「えっ?」


「いや、何でもいいならそこに生えてるぞ、薬の材料―――この白い小さな花が蒲公英みたいに生えるこれ「トーン」と言って所謂万能薬に近いものだよ…と言っても薬効は薄いから常用の飲み薬とかになったりする程度だが」

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