レシピ2―――グラスビーンズ
「あとは隣に生えてるこの赤い花…これもそうだな「病忘れの花」と言ってこっちも風邪の予防とかによく使われる、名前通り薬の材料になったりする、それに花が必要ならこれでもいいのでは?」
「―――…揃っちゃったわね…」
「―――それでこんなに朝早くから呼ばれた意味は…?」
「―――無いわね…」
「…」「…」
そうして二人は目の前にある花を採取したら家へとトボトボと入っていくのであった…
―――――場所は変わって屋根裏部屋
「―――気を取り直して作るわよっ!」
「次回から、どこに行くにしても必要なものを先に言ってくれ…」
「そこっ、うるさい!…まぁ、悪かったとは思ってるわよ?」
「朝早く起きるのなんて、漁で慣れてるからいいけどさ…」
「あたしも正直家の前だけで材料が完結するとは思ってなかったのよ…」
そんなことをぼやきつつ、錬金を始めるライザ―――そして眩い光が錬金釜から立ち上がる
「―――できた…って…ん?これどこかで見たことあるような…」
錬金釜の中には、大きさは1㎝もないであろう小さな緑色の丸い粒が何個か入っていた
「―――ん?これってグラスビーンズか?匂いもほぼ一緒だし…」
「グラスビーンズ?」
「え?小さなころ、病気になると食べなかったか?―――このクーケン島ではこのように薬草類を煎じて丸薬状にしたものの総称がグラスビーンズだと思ったが」
「あぁ、あのあまり美味しくないお薬…」
「美味しくないって…薬で美味しい方が稀だぞ?」
「いつか錬金術で美味しい薬も作ってやりますよーだ…」
「それは期待してるよ、オレが普段持ち歩いている傷薬も苦いんだ…―――それでこれからどうする?」
「んー…とりあえず昨日作ったこのトゲトゲが何かよく分からないし、アンペルさんに聞いてみようかなって…あたしの錬金術士の感では危ない物なんだけど」
「いや、トゲトゲしてる時点で危ないもの確定だろ…―――まぁ、ここまで来たからには付き合うよ」
そうして二人は賃家へと向かうのであった
「アンペルさん!本に載ってたもの作ってきたよ!」
「お邪魔します、アンペルさん、リラさん―――あ、これ引っ越しというか移住祝い?ですけどドーナツ買ってきましたんで、良かったら食べてください」
「―――なにっ!?ドーナツだと!!」
「うわっ!?…びっくりした、え、ええ、良かったら食べてください…」
そんな男たちの会話を見つつライザが小声で質問をする
「リラさん、なんでアンペルさんあんなにがっついているんですか?」
「あぁ、アンペルの奴、ああ見えて大の甘いもの好きでな…目の前に甘いものがあると何をしてても放り出して噛り付くんだ…あまりに甘い物しか食べなくなったりすると私から禁止令を出したりもする…」
「うわぁ…あたしも好きだけどそこまでじゃ…じゃあ、カイルのヤツがハチミツとかよく採取してるの知ったら…」
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