レントの頼み
―――――ライザとカイルが冒険をした日より、数日が経過した、この間の日々はライザは新しい素材に夢中になり、錬金術を何回も行うことで少しでも慣れようとしていた、レントはリラに戦士の教えを学ぶ日々を、タオはアンペルより古代の文字の読み方の触りを、カイルはそんな3人が人手が足りない時に手を貸して過ごした
―――今日は久しぶりに、4人とも朝早くからライザの家の屋根裏部屋に集まっていた、ここのところ各々忙しく、集まったのは本当に久しぶりである
そんな中、部屋に入って来るなり、ある一方を見つめるレントとタオが思わずといった風につぶやく
「―――…部屋に入っていきなりなんだけどよ…アレはなんだ?」
「うん、僕も気になるかな…不本意ながら…」
そう二人が見つめる先には、人の背丈ほども大量に積み上げられた「爆粉うに」の姿があった
「あぁ…あれな…なんか知らんが錬金術が楽しくなって、いつの間にかああなってたらしい…正直、ちょっとの刺激であれが大爆発しないかオレは不安でしょうがないんだが…」
「こんなに作ってどうするんだ?前にカイルから聞いたが、結構えげつないって聞いたぞ、戦争でも始める気か?」
「ライザのことだから、僕はいつか汽水湖全部を干上がらせるためとか言っても信じられるよ」
「おい、それはやめてくれ、生活に響く…」
「なによぅ…そんなに言わなくてもいいじゃない…使う材料が同じでも、でき上る個数が増えたり、トゲがおっきくなったり、爆発した時の爆発力が上がったりってすごーく、すっっごく楽しいんだもんっ!」
「だもんって…」
「ライザって普段子供なのに、時折すごく子供になるよね…」
「まぁそれはいいんだが、どうして出しっ放しでああなるんだ?確か収納箱とか言う便利な物貰ったとか言ってたよな、そこに入れればいいんじゃねーか?」
「うー…あたしも最初はそうしてたんだけど、作り比べるって意味でタグ付けしてて、見比べてたりしたんだけど、一々収納箱に入れてると取り出してはまた入れてってめんどくさくなちゃって…それなら目の前においておけば一目でわかるな―って…」
「それで放置してたら一目で分からない状態になったと…」
「あとでちゃんと片しますー…」
「是非早めに頼む、いつ爆発するんじゃないかと常に怖くて気になるんだ…」
「それで、もう一つ気になったんだが、この机の上にあるやたら分厚い本はなんなんだタオ」
「いきなり僕って決めつけないでよ…いや、僕だけどさ―――アンペルさんに教わった文字が表紙に書いてある本を書庫から見つけてきたんだ」
「へぇ…どんなことが書いてあるの?」
「さぁ…?」
そういって首をかしげるタオ、思わず全員が一瞬黙る
「いや、さぁ?って…」
「これ、古い文献に使われてる言語の辞書なんだって、だからこれを把握するのが当面の課題だってアンペルさんに言われたんだ」
「意味が分からない言葉の辞書を引いて、意味あるのか…?」
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